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目とメガネに関する豆知識

目の病気のなかで、比較的多く見られる「結膜炎」。一度はなったことがある、という方も多いのではないでしょうか?
一言に「結膜炎」といっても、様々な原因や種類があります。どのような病気で、なってしまったらどのようにしたらいいのか、ご紹介します。



■1.昔レッド、今ホワイト


昭和30年ごろまでは、眼科といえば赤眼(レッドアイ)、つまり細菌性や「トラコーマ」と言われたクラミジアなどの感染性、伝染性の結膜炎の患者が多く、眼科では「目洗い」が大切な仕事でした。しかし、抗生物質の点眼薬の出現・普及で、次第に赤眼で眼科を訪れる人は少なくなり、今日はホワイトアイ、つまり赤眼は目立たず、見え方や眼球の中の病気で眼科を訪れる人が主体となっています。
しかも、結膜炎でも、一部を除いては充血が目立たないアレルギーなどによるものが多くなり、ウイルス性は、目洗いは却って伝染の原因になることもわかってきたため、眼科での洗眼は特殊な場合を除いてほとんど行われなくなりました。
にもかかわらず、今日でも形は変わっても結膜炎は依然として少なくない病気で、適切な治療を行わないと不快なばかりでなく、人にうつしたり、角膜などにも影響が及び視力低下を起こすこともあります。そこで、どんな結膜炎があるか、見ていきましょう。




■2.結膜は外界から刺激を受けやすい


眼球の白目(強膜)の表面を覆い、上下の円蓋部で反転して上下の眼瞼(がんけん=まぶたのこと)の裏側を覆う半透明の粘膜組織を、結膜といいます。眼球側の方を「球結膜」、眼瞼側を「瞼結膜」といい、結膜下の組織との間には緩みがあって、眼球や眼瞼の動きの妨げにならないようになっています。この結膜は、眼部の一番表面にあるため、外界からの病原性微生物やアレルゲン(アレルギーのもとになる物質=抗原)に曝され、刺激を受けやすいのが特徴です。これらのために結膜に炎症が生じたものが結膜炎で、共通した症状としては、充血、目やに、異物感などがあります。



■3.一番劇症な「流行性角結膜炎」


病原性微生物の中でも、最も強い結膜炎を起こしやすいのが、アデノウイルスという風邪症状を起こすウイルスです。これにはいろいろな型がありますが、中でも8型が、強い結膜炎すなわち「流行性角結膜炎」を起こす頻度が高いものです。夏に多く、強い結膜充血、目やに、流涙、異物感、熱感があり、片眼から出現することもあります。耳の下にある耳前リンパ節が腫れることも多く、自発痛か圧痛があることが普通です。
また子供では、咽頭炎や発熱を伴うこともあり、結膜には偽膜が形成されることもあります。角膜にも炎症が及び、時には虹彩炎もみられます。接触感染が主で伝染力が強く、潜伏期は7~10日程度です。
ウイルス性の結膜炎に特効薬はありませんが、点眼薬で対症療法や混合感染防止を図りながら、何よりも伝染させない対策が必要です。学校保健法では登校禁止が決められており、医師の判断で登校を再開します。職場に関してもこれに準じますが、手洗いの励行、目や目の付近にさわらない(さわった場合は必ず十分な手洗い)、目やに涙などがついたものの適切な処理、タオルは専用にし、入浴も最後にするなど、強力な伝染力があるので十分な自己管理、注意が必要です。



ウイルス感染にはほかに、子供に多く、プールでうつりやすく、発熱や咽頭炎が比較的強い「プール熱」ともいわれる咽頭結膜熱や、充血と出血が強く、涙に血が混じることもある急性出血性結膜炎があります。前者はアデノウイルスが原因ですが、後者はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスなど別の種類のウイルスが原因で、潜伏期が短い(1~2日)のこともあります。



■4.一番多い「アレルギー性結膜炎」


さまざまな花粉、ハウスダスト(ダニ、カビ、動物の毛やフケなど)がアレルゲン(抗原)となって、結膜に免疫反応が起った結果生ずるのがアレルギー性結膜炎です。眼科外来で、結膜炎の中で最も多くみられるものです。花粉など季節性のものから、ハウスダストなど通年性のものもあり、1人でいろいろなアレルゲンに反応する人も少なくありません。同時に鼻炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚症状が出現する例もよくみられます。症状は一般にかゆみ、充血、目やに、異物感などですが、充血は少なく、逆に結膜がミルキーのように白っぽく濁る例もあります。
アレルギー性結膜炎のうち、慢性再発性で、重症型のものを「春季カタル」と言う場合があります。かゆみが非常に強く、結膜の凸凹がひどくなったり、角膜に障害が起こったりして難治です。子どもに多くみられますが、最近は免疫抑制薬の点眼が用いられるようになって症状が軽減する例も増えました。アトピー性皮膚炎を有している人の中に、春季カタルと同じような重症な慢性アレルギー性結膜炎になる場合があります。
アレルギーを抑える点眼や、副腎ステロイドの点眼を適宜用いますが、アレルゲンが目などに入らないようにする防止策も必要です。



■5.増えてきた性感染による結膜炎


日本では清潔な環境が保持されるにつれて少なくはなりましたが、依然として細菌性結膜炎は存在します。これには適切な抗菌薬の点眼が必要です。 最近、若干増えているものに、性感染による結膜炎があります。淋菌やクラミジアによるもので、いずれもそれと診断して早めの適切な治療を行わないと難治になり、視力低下など甚大な影響を残すことになります。



■6.適切な治療のために


目やにや涙が出たからといって、必ず結膜炎かというとそうとは限りません。視力が低下するような疾患の存在、目の使いすぎ、睡眠不足などで目に負担がかかると、一時的にそういう症状が出るからです。また、結膜炎に類似した症状を持つものに、角膜炎、虹彩炎、涙嚢炎などがあります。従って、一過性のものは除いて、症状が重篤なもの、持続するものでは早めに専門医に診断を受け、適切な治療を受け、適切な生活指導をしてもらうことが大事です。



監修:医療法人社団 済安堂 井上眼科病院院長 若倉雅登

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