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特集【第4回】レンズコート開発エンジニアインタビュー
『キズ』に強く『ホコリ・花粉』も付きにくい、耐久性強化コーティング スーパーレジスタンスコート完成

※「スーパーレジスタンスコート」は販売を終了しております。さらに快適な使い心地にグレードアップした後継機種、『SRC2 UVP-BR』の詳細は、こちらをご覧ください。

皆さんは、レンズの性能でいちばん気になることって何ですか?
レンズの薄さでしょうか?それとも軽さ?
当社がメガネユーザー様約2,000名に行ったアンケートによると、「耐久性」と「キズの付きにくさ」を重視している人が多いものの、それらの満足度を尋ねてみると、あまり満足していないという結果が出ました。
耐久性やキズに関してお悩みの方が多くいらっしゃることがわかりますよね。

そんなお客様の悩みを解決し、レンズに対する満足度アップに貢献してくれる強力なレンズコートが、2009年12月にセイコーオプティカルプロダクツより発売されました。
その名も、「スーパーレジスタンスコート」。
大事なメガネのレンズを守る、優れものです。
でも、そもそもレンズコートとはどういうものなのか、あまりご存知ない方も多いのではないでしょうか。
そこで、実際にスーパーレジスタンスコートの開発担当者である、西本さん、野口さんにお話を伺い、レンズコートのいろはからスーパーレジスタンスコートの魅力までたっぷりと教えて頂きました。

なお、今回は快適視生活応援団会員で普段からメガネを愛用している豊島さんに会員レポーターとして、インタビューをお願いしました。

豊島さんはメガネ暦30年の主婦の方で、コンタクトも使用しますが、OL時代にドライアイで角膜をはがしてしまった経験があり、それからはメガネを使う時間が長くなったそうです。
お出かけの時は赤系のセルフレームでファッションのアクセントにしたり、自宅で家事をするときはずれにくい鼻パッドのあるメタルフレームを使用したりとフレームによる使い分けもしっかりされているご様子の豊島さん。
ただ、これまでメガネを選ぶ時、あまりコートについては気にしたことがなかったのだといいます。
どんなお話を伺ってきたのでしょうか?

メガネを買う時、気になるのはフレームの色やデザインだったり、レンズの薄さや軽さばかりで、コートについて気にしたことがなかったのですが、レンズのコートにはどのような種類があるのでしょうか?

セイコーエプソン株式会社 野口さん

(野口さん)
コートの種類として主なものには、
①光の反射を防ぎ、明るくクリアに見える「反射防止コート」
②キズを付きにくくする「防傷性能強化コート」
③汚れをスムーズに拭き取りやすくする「汚れ防止コート」
④衝撃に対する強度を高めて割れにくくする「耐衝撃性強化コート」
⑤温度差によって生じるレンズの曇りを防ぐ「くもり防止コート」
⑥プラスチックレンズに溜まりやすい静電気を防ぐ「静電気防止コート」
があります。「反射防止コート」は最近の商品にはほとんど標準で装備されていますよ。

コートの種類はこんなにあるんですね。これらのコートをたくさんつけるとド近眼の私はレンズの厚みが気になるところですが、そもそもコートの厚みはどれくらいなのでしょうか?

(野口さん)
厚みは3~4マイクロメートル(マイクロメートルは1000分の1ミリ)です。

全然、気にするような厚みではないんですね。
「汚れ防止コート」と「くもり防止コート」は、名前から受ける印象は似ているのですが、どう違うのでしょうか?

(野口さん)
汚れ防止コートは、"水や油をはじきやすく"しています。
水や油がはじきやすくなっているため、汚れもよりスムーズに拭き取ることができるわけです。くもり防止コートは、親水性を高くして、水分がレンズ表面に付着する状態を"水滴状"ではなく"広がる"ようにしているのです。くもりの原因である水滴化を防ぎます。

「汚れ防止コート」と「くもり防止コート」は全く逆の性格のものになるわけです。よく一緒にコートをつけられないのかとご要望をいただきますが、正反対のものになりますので、どちらか一方しか選べません。

そうなんですか。では、これらのコートの効果はどのぐらい持続するものなのでしょうか?

(野口さん)
お客様の使い方にもよりますが、大体3~5年位でしょうか。その期間は長くも短くもなりますので、お取扱いがとても重要ですね。

正しいお手入れ方法があったら教えてください。

(野口さん)
通常は、最初に軽く水洗いをして下さい。レンズ表面に付いた埃やゴミを水で洗い流す必要があります。これをやらずに直接、メガネ拭きで乾拭きしてしまうとホコリやゴミでコート膜を傷つけてしまうことになります。小さな傷がつきますとそこから水分が入り込み、コート膜がはがれる原因になりますので注意してくださいね。
水洗い後は、水滴、水気などをティッシュで拭き取ってから最後にメガネ拭きで拭く手順になります。近くに水がない場合は、ご自分の呼気を吹きかけてから拭く方法もあります。一番良いのは軽く水洗いする方法です。

汚れがひどい場合は、レンズ専用クリーナーや中性洗剤を薄めた液で洗浄後、水洗いをし、水滴・水気等をティッシュなどで拭き取り、メガネ拭きで拭いてください。やってはいけないのは、いきなり乾拭きをすることや、アルカリ・酸系の洗剤で洗うことです。

今、教えていただいた水洗いやレンズ専用クリーナーを使うと、コートがはがれることはありませんか?コートがこんなに薄いと聞くと心配になりました。

(野口さん)
社内でテストをしておりますが、水洗いやレンズ専用クリーナーだけではコートがとれてしまうことはありませんので、大丈夫ですよ。

それなら安心ですね。

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