今回の製品紹介では、11月18日に発売されたばかりの40歳代向けの新・快適レンズ『セイコー パシュートEV』について、快適視生活応援団会員レポーターの田中ゆかりさんによるインタビューの模様をお届けします。
子育てをしながら仕事をしたり、ママ友とランチの美味しいお店を探して遠くまで出掛けたり、趣味の音楽ライブではじけたりと「アクティブな40代」を自称していた私。でも身体は正直なのか、ここ最近は新聞や携帯電話などの細かい文字が少し遠ざけないと読みにくくなったり、料理をしていても手元の輪郭がぼやけて見えたりしていることを自覚していました。でも、何となくまだ老いを認めたくない私は「もしかしたら、そろそろ老眼?!」と心の片隅で思いつつも「そんなことない!まだ、大丈夫!」と勝手に思い込もうとしていました。
今回、そんな自称アクティブ40代の私のように(?!)元気で張り切って生活していても、実は30代の頃と比べて目の見え方になんとなく悩みを持っている人にぴったりなレンズが開発されたと聞き、開発者の方に私の悩みや素朴な疑問、商品開発秘話などをたっぷりと伺ってきました。
今回、お話をしてくださったのはセイコーオプティカルプロダクツ(株)商品企画部レンズ企画グループの梶谷さんです。入社当時からつい最近までは営業をなさっていたそうで、人の話を聞くのも話すのもとても上手な方でした。営業時代に現場で耳にした声も商品開発に役立てているそうですよ!
「40歳代向け新・快適レンズ」と聞いた時、「私向けの商品が出たんだ!」と驚きと嬉しさと親しみを感じました。
そもそも、どうして「40歳代向けのレンズ」を作ろうと思ったのでしょうか。
40歳代になると皆さんアンチエイジングの年齢に入ってきていますよね。実は私も「あれ?この頃視力がおかしいぞ」と自覚をしたのは4年程前の42歳の頃の事でした。風邪をひいてゲホゲホ言いながら必死で薬を出してきて、満を持して「さぁ、飲もう!」と思った時に、薬のパッケージの文字を読もうとするのに、1回に何錠飲めば良いのかが見えなかったんです。
持っている近視用のメガネ(単焦点レンズ)を掛けたのですが、掛けると余計に見えなくなってしまい、薬のビンを手で精一杯伸ばした遠くの位置に持っていくとようやくピントは合うのですが、そうすると今度は書かれている文字が小さくて読めない(笑)。でも、「おかしい、メガネが合わなくなっただけなんだ!」と自分に言い訳するような気持ちがあり、すんなり「自分がそろそろ老眼の域に入ったんだ」とは思えませんでした。
確かに40歳代の方はまだまだ気持ちも若く、いきなり「老眼鏡」と言われると抵抗感があるのは当然です。私だって、「老眼鏡を掛けてください」と言われたら「いや、まだいいです」という気持ちがありますから、皆さんだってそうだと思います。でも、やっぱり若い頃と比べると見えにくくなっているのは確かなんです。だったら40歳代の方達に向けた、「若い頃のようにもっと楽に、もっと快適に見る事が出来るレンズを作りたい」と思ったのです。自分がターゲットだったからこそ、より良い商品を作り出したいと思ったんです。
梶谷さんがターゲットだったからこそ、商品に対する思い入れも高かったんですね。
私も梶谷さんと同じで視力の低下を老いと認めたくない気持ちがあり、普段の生活の中でも見えにくく困ることがたびたびあるのに、「ガマン出来るから」とメガネを作りに行くことすらしないでいました。
でも、遠近両用メガネってはじめから違和感なく使えるものなのでしょうか。
<遠近両用メガネは年齢を重ねてからではなかなか慣れにくい>
下図でもわかるように、実は遠近両用メガネを49歳以下で使っている人は3割もいないんですよ。遠近両用メガネは手元も遠くもしっかりと見ることが出来るとても便利なメガネなのですが、掛けた時に「ユレ」や「ユガミ」を感じる人が多いのです。年齢を重ねるとどうしても近くの物を見るときに目の焦点を調節するための矯正が必要になるのですが、レンズにその強い矯正を入れると遠近両用メガネの「ユレ」や「ユガミ」が更に大きくなってしまい、最初のうちはメガネに慣れることが難しいんです。そのため、「使ったことはあるが現在は使っていない」という人の割合が年齢を重ねると増える傾向があります。
その思いが形になったのがこの「パシュートEV」なんですね。
「パシュートEV」は具体的にどのような特長があるのでしょうか。
「パシュートEV」は「累進帯域最適シフト設計」という世界初の技術により、一般的な遠近両用レンズとは異なり、視野が広く見える設計を実現したレンズです。これまで掛けてきた近視・遠視・乱視矯正用のレンズに近い見え方が得られるという特長があります。
この「累進帯域最適シフト設計」は、徐々に年代を重ねていくにつれて自覚する視力の変化に対応出来るようになっています。「パシュートEV」を使っていれば、年齢を重ねても若い頃と変わらない自然な見え方ができる点が魅力です。メガネは「1度買って、おしまい」という商品ではありません。せっかくレンズの見え方に慣れて快適に使って下さったメガネを掛けかえる時に、一から探すことなく、次の自分の視力に合ったメガネへとスムーズに移行出来るのも、他のメーカーにはない「パシュートEV」の魅力なのです。
ご自身を含む40歳代の方をターゲットとしたレンズというのは初めて聞くように思いますが、梶谷さんが情熱を掛けた「パシュートEV」の開発にはさまざまなエピソードがありそうですね。
「自分も快適だと実感できる良いレンズを作りたい!」という思いで、設計から商品が発売になるまで約4年かかりました。丁度、私がターゲットだったので、試作を重ねては私が掛けてみて、作りたかった物にしっかりなっているかどうかを幾度も確認しました。やはり、「まだまだ、若い」と活き活きと暮らしている40歳代の人たちにむけて、
アンチエイジング=若いときに見えていた感覚と同じような見え方が出来るレンズ
をどうしても作りたかったんです。目指していたものは、40歳代で既にメガネを掛けている方、40歳代で初めてメガネを掛ける方はもちろんですが、目を使う作業をしていて目が疲れやすいなと思う方、遠近両用メガネを作ったけれど慣れずに使っていない方、私のように薬などのパッケージに書いてある使用方法のような小さな字が読みにくくなったと聞いて共感してくださった方々が快適に使えるレンズです。その為に何度も何度も試作を繰り返し、試行錯誤しながら作っていたところ、開発に4年の月日が経っていたのです。
これまで「レンズでメガネ選ぶ」という買い方を考えた事がありませんでした。
一生使う大事な目だからこそレンズでメガネ選びをしなくちゃ!ですね。
そう言って頂けるとうれしいです。40歳代の人が快適に見える事をサポートする目的で設計されたレンズを出しているのはセイコーだけなんですよ。だから「パシュートEVは、セイコーから新しく出た40歳代向けのレンズ」と覚えてもらえるといいなと思います。
目は一生物だからこそ「アンチエイジング」が必要で、オシャレでパワフル、アクティブないつまでも若い40歳代を過ごすためのレンズを使って頂けたら、と思っています。これまではフレームでメガネ選びをしていた人も多いと思いますが、40歳を過ぎたらレンズでメガネを選んで頂けると嬉しいですね。
最後にひとことお願いします!
パシュートEVは、40歳代の人に、快適な視界を提供することによりいつまでも若々しくいて欲しいという思いを強く入れこんだ商品です。
お近くの取り扱いのお店は「メガネ屋さん検索」コンテンツをご参照ください。もしお店に足を運んでいただけた際には、ぜひ「セイコーの新しく出た40歳代向けのレンズ」とおっしゃっていただけると嬉しいです。
また、「パシュートEV」についてより詳しく知りたい方は「パシュートEV」のページからご覧ください。実際の見え方を体験することもできますよ。
セイコーのレンズは、お客様一人ひとりに合わせて作る「インディヴィジュアルレンズ」です。「パシュートEV」以外にも、お客様のニーズに合わせて多彩なレンズを取り揃えておりますので、興味のある方はぜひ他のレンズ情報にもアクセスしてみてください。
「お客さま1人1人が満足出来るようなメガネ作りをしていきたい」とメガネに対するあつ~い思いをお話下さった梶谷さん。視力低下を実感してきている今から掛け始めて、より快適な生活を送れるようにしたいなと思いました。
自分では若いつもりでいても、近い距離ではピントが合わない様子は「実は、私、老眼なんです!」とカミングアウトしている事になっていたんですね。むしろ、このような新設計のメガネを掛けることで若い人と同じような見え方が出来る方がグっと見た目年齢も若返りそう!私も早速、メガネ屋さんに行って「40歳代向けの快適レンズを試させて下さい」と言ってみようと思っています。
(インタビュー/記事作成 担当:快適視生活応援団会員レポーター 田中 ゆかり さん)
[2010.12.24 UP]