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目とメガネに関する豆知識

日差しの暖かさが増し夏に近づくにつれ、紫外線が気になりはじめる、という方も多いのではないでしょうか。紫外線と聞いて、真っ先に気になるのはお肌への影響かもしれません。でも実は、目にも大きな影響があるということを、ご存知でしたか?
前編・後編の2回に分けて、紫外線と目の関係についてお伝えしていきます。前編の今回は、紫外線が目に与える影響についてお伝えします。



■1.紫外線ってなに?


紫外線と目の関係をお話する前に、紫外線ってどうして「紫外線」というか、ご存知ですか?
太陽から地球には光と熱が届きますが、紫外線もこの光の中の1つなんです。


▼七色の光と紫外線

雨が降ったあとの晴れ間や庭に水まきしているときに見える虹は、ご覧になったことありますよね?虹というのは、太陽から地球に届いた光が、空気中の水分を通過することで赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色に分かれて見える現象のことをさします。この7色が、人が目にすることができる光、「可視光線」です。


でも、太陽から届く光はこれだけではありません。「可視光線」ではない、目に見えない光があります。その代表的なものが、「紫外線」「赤外線」です。


▼紫外線はなぜ「紫外線」っていうの?

さて、では「紫外線」の名前の由来ですが・・・
紫外線とは、その名のとおり「紫の外」にある光です。


光は、電磁波という電子の波でできていて、この波と波の間隔(波長)の長い順に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7つの色になって目に映ります。虹の七色も、この順番に並んでいます。これが先ほどの可視光線です。この7色よりも波長が長くても短くても人の目では見ることができません。


紫外線は、可視光線で最も波長の短い紫よりもさらに波長が短く、紫の外側に位置するために「紫外線」と呼ばれるわけです。これを英語に直すと、Ultra(端、極端)Violet(紫)つまり「紫の外の光線」ということになります。化粧品などで使われる「UVカット」という言葉の「UV」とはここからきています。


なお、「赤」よりも波長の長い光、赤の外側の光を「赤外線」と呼びます。



■2.紫外線は目にどんな影響を与えるの?


さて、この紫外線の中でも違いが3種類あって、光の波長の短い方から順に「UV-C」「UV-B」「UV-A」と呼ばれています。


[UV-C]
オゾン層で吸収され、ほとんど地上には届きません。


[UV-B]
肌を赤くする紫外線で、目の表面にある角膜に吸収され、角膜の炎症を起こす原因になると言われています。


[UV-A]
肌を黒くする紫外線で、目の奥にあってレンズの役割を果たす水晶体まで届きます。長い年月の間、紫外線が水晶体に吸収されつづけると、水晶体は酸化されて蛋白質を形成し、次第に白く濁ってしまいます。これが、紫外線は白内障の原因になるといわれる所以です。
また、「翼状片」という病気も紫外線による影響が大きいとされています。「翼状片」は、白目の組織が異常に増殖し、黒目の方にかぶさってきたりする病気で、手術で治りますが再発することの多い病気です。この翼状片や白内障は、紫外線の多い地方でより多発すると言われています。



また、目に入った紫外線が皮膚に与える影響も深刻です。目に紫外線が入ると、皮膚が紫外線にさらされていなくても目は敏感に紫外線を察知し、全身に信号が送られます。すると体内で、紫外線に対抗するためのメラニン色素が生成され、直接肌に紫外線が当たったのと同じ状態になってしまうというのです。
それくらい、紫外線が目や身体の健康に与える影響は大きいといえます。


ちなみに、紫外線がいちばん多いのは夏ですが、下のグラフをご覧のとおり、夏以外の季節でも紫外線の影響を受けています。夏だけに限らず、つねに紫外線対策を心がけたいものですね。


出典:気象庁ホームページ
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/link_uvindex_month54.html
「日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフ(全国分布図 2022年/東京)」
(気象庁ホームページより)



いかがでしたか?肌だけでなく、目も紫外線から守るケアを行う必要がありそうですね。次回は紫外線から目を守る対策についてお話しします。