視力が落ちたり目が疲れたとき、メガネやコンタクトレンズで矯正したり、目薬を使うなどして対処するのは一般的なことですが、目に良いとされる栄養は日頃の食事からも摂取することができます。例えば、ブルーベリーが目に良いという話はよく聞きますよね。
今回は、目の健康と食べ物の関係についてお話します。
■1.偏った食事とダイエットで目が悪くなる
偏食をしている人や、ダイエットに熱心な人がひどい疲れ目を訴えることがあります。これは「栄養アンバランス型」ともいわれ、栄養不足が疲れ目の原因となっているのです。栄養の偏った食事や無理なダイエットは、ビタミン類が欠乏しやすくなります。ビタミンが不足すると、目を始めとする体の機能にさまざまな不調が出てきます。
目にとって特に重要な栄養素はビタミンB群です。しかしこの栄養素は熱に弱いため調理中にかなり失われてしまい、お酒やタバコにも弱いため欠乏しやすいのです。
また、ビタミンAも大切です。ふつうの食生活を送っていれば不足することはまずありませんが、ダイエットをしている人は注意が必要です。偏食や過度なダイエットは体の健康を損ねる原因になりますが、目も同じことなのですね。疲れ目やかすみ目など目の不調で悩んでいる方は、一度自分の食生活を見直してみるのも良いことかもしれません。
■2.疲れ目に効くビタミンB、ビタミンA
疲れ目に特に重要な栄養素が、ビタミンB群。
ビタミンB1・ビタミンB2は、視神経の働きを高め視力の低下を防ぐ役割をしており、豚肉やサバ、玄米などに多く含まれています。また、レンコンにも目にいいビタミンB1が含まれています。しゃきしゃきとしたレンコンを噛むことで、顔や目の周りの筋肉もほぐれ、疲れ目の強い味方になってくれますよ。
ビタミンB2は網膜の働きを助けて目の充血を解消したり、視力回復にも役立っています。こちらはレバーや納豆、卵や海苔などに多く含まれています。
B6は、目の調節機能をつかさどる水晶体と毛様体筋の主成分であるたんぱく質の吸収に不可欠です。多く含まれるのは大豆や牛乳、サケ、サバなどです。
疲れ目、かすみ目が気になる人のお助け食材として、ニンジンもおすすめです。ニンジンには、体内で必要に応じてビタミンAに変化する「βカロテン」が豊富に含まれています。ビタミンAは毛様体の筋肉の弾力性を回復させ、疲れ目やかすみ目などの改善に役立ちます。カロテンは、油に溶けるビタミンで、油と一緒に摂取することでビタミンAの吸収率がよくなります。生だと1割程度の吸収率が、油で調理すると5~6割にアップするそうです。ニンジンを食べるときには、ぜひ油料理に取り入れてみてくださいね。他にも、ホウレンソウやカボチャなどにはビタミンAが豊富です。
忙しくてこれらの栄養を食事で摂れない場合は、サプリメントなどでうまく補えるとよいですね。また、眼科に行けば疲れ目の症状に合わせてビタミン剤も処方してもらえますよ。
■3.ルテインを知っていますか?
ルテインとはカロテノイド(食品に含まれる赤、黄、オレンジなどの色素の総称。ルテインの他、カロテン、リコピンなどがあります)の一種で、人間の体では目の網膜にのみ含まれています。
ルテインには、人体の老化を促進する活性酸素を取り除く抗酸化作用があるのが大きな特徴です。
目の細胞は光による酸化ダメージを受けることがありますが、ルテインは、抗酸化作用によって目の酸化ダメージを防いでくれるのです。
また近年は、テレビやパソコン、スマートフォンなどデジタルデバイスの普及で目を酷使するようになったり、脂質の多い食べ物やアルコールの過剰摂取、喫煙などの影響で体内に活性酸素が増えやすい状態にあります。これにともない、現代人の目は非常に酸化されやすいのです。
ルテインはほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれます。ルテインを上手に摂って、目の健康を守りたいものですね。
■4.ハーブやお茶で目に癒し効果を
ハーブは西洋の漢方薬といわれ、さまざまな病気や症状に効果があるといわれていますが、眼精疲労に効くといわれているものもあります。
代表的なものをあげると、フェンネル、ラベンダー、ペパーミントがいいとされています。ハーブティーにして飲んでももちろんいいのですが、アロマオイルの入った水に浸したタオルで目の上を湿布するのも効果があります。このタオルを冷蔵庫に入れてちょっと冷すと、ひんやり感がアップして気分もすっきりしますよ。反対に目を温め血行をよくする場合は、タオルを電子レンジで30秒ほど温めるのも効果的です。
また中国茶にも、ハーブと同じく目に良いとされる生薬が含まれているものがあります。代表的なのが、赤いクコの実の「クコ茶」。目のかすみに効くといわれている「菊花茶」。これらの生薬にナツメやサンザシなどをブレンドした「八宝茶」などです。
日常のお茶の時間やリラックスタイムにも、目の健康を思いやるちょっとした知恵と工夫を取り入れていくといいですね。
いかがでしたか。目に良い食事を取り入れることで、快適な視生活を継続していけると良いですね。