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目とメガネに関する豆知識

新聞や雑誌、小説や漫画、チラシなど…紙媒体と電子媒体が共存する時代、個々人のライフスタイルや嗜好により媒体を使い分けしている方は多いと思います。そんな媒体の違いにかかわらず、私たちは日常生活で沢山の活字を目にしますよね。
今回の豆知識は、そんな日常生活で密接な関わりのある「“活字”と視力」をテーマに、お届けしたいと思います。



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■1.活字サイズの規格~ポイント制と号数制


辞書に使われる小さな文字から、スポーツ新聞のタイトルのように紙面の4分の1を占めるようなものまで、活字の大きさには大小様々なサイズがあります。ですが、これは全く適当な大きさになっているわけではないのです。きちんと決められた規格が、活字の大きさにはあるんですよ。

和文活字(日本語の活字)の大きさには、昔は2種類の規格がありました。「号数制」と「ポイント制」と呼ばれるものです。ポイント制はアメリカやヨーロッパの国々で使用されてきた規格で、号数制は日本独自の規格でした。明治時代の始めごろからこの2種類が併用されてきましたが、昭和37年にJIS規格(日本工業規格)が定められてからは、欧米流のポイント制に統一され、今ではポイント制だけが使用されています。

ポイント制の活字の大きさは、長さの単位である【インチ】をもとに決められています。タテヨコが1インチ角のサイズの活字が72ポイントとされているので、1ポイントの活字は72分の1インチ、約0.35mm角の大きさの活字になります。 現在では、パソコンやワープロのフォントのサイズでポイント制が取り入れられているため、みなさんにも身近なものとなっているのではないでしょうか?

但し、新聞の活字だけは正方形の範囲ではなく、扁平活字と言って横長な長方形の活字サイズとなっています。通常の記事に使われる1倍活字と呼ばれるサイズでは、縦6~7(約2.3mm)ポイント、横8(2.8mm)ポイントにあたります。



■2.より大きく、より読みやすく進化しつづける活字


▼1.大きくなっていく活字


たとえば生活の中で一番身近な新聞。
今までの新聞の活字のサイズは6~8ポイントでしたが、近ごろでは老視などでお困りになる高齢者の方のために、活字サイズを大きくする新聞社が増えてきました。新しい新聞の文字は、縦が8.6ポイント(約3mm)横10.8ポイント(約3.8mm)となり、老眼鏡なしでは近方視力が弱くなってしまう方にも、読みやすい文字のサイズとなりつつあります。

また、かつては字が小さかった文庫本の活字も、幅広い年齢層の人に読みやすく対応できるよう、大きくなっている傾向があります。


▼2.「大活字本」を知っていますか?


大活字本とは、ポイント数の高い大きな文字で印刷した本です。図書館のコーナーの片隅で、ひときわ文字の大きい書籍が並ぶ棚を見かけたことのある人も多いかもしれません。

これは、近視や老視などではなく、弱視や低視力の方々でも楽に本が読めるように、通常の活字よりもさらに大きなサイズの文字を使った「大活字本」と呼ばれる書籍です。通常、新聞の本文の字が10ポイントくらいであるのに対し、大活字本では14~25ポイントの文字を用いています。字体も太目のゴシック体などを使用し、より読みやすくなっています。



■3.目をいたわって快適な読書を


「本を読みすぎたせいで目が悪くなった」という人をときどき見かけます。確かに、暗いところで長時間本を読んだり、姿勢の悪い状態で読書を続けたりすると、視力の低下に結びつくこともあります。 大切な視力を守るためにも、読書時に目をいたわるポイントを常に心にとめておくことが大切です。


▼1.本はできるだけ明るい場所で読みましょう。


暗いところで本を読むと、目を近づけて読み、読みにくいために目を必要以上に疲れさせるだけになります。目を酷使しないためにも出来るだけ明るい場所で読みましょう。
ちなみにJIS規格では、読書に適した明るさは居間・寝室で500ルクス、書斎・勉強室で750ルクス程度とされています。


▼2.本を読む時には、良い姿勢を心掛けましょう。


背中や首が曲がった姿勢で本を読みつづけると、首や目の疲労が重なり、視力の低下を招くことが十分考えられます。本を読む際には寝転んだりせず、背筋をのばして深く椅子に腰かけ、身長に合ったサイズの机に本を置いて、明るい照明の下で読みましょう。



■4.読書のある暮らしに適したメガネを


通常、近視・遠視・乱視の方は自分の度数にしっかり合わせたメガネを掛けることが最適な対応となります。一方、シニアメガネにおいてはシチュエーションに合わせたメガネ選びが必要となります。パソコン作業をするとき、オフィスで活動するときまた読書する際にも適したメガネがあります。

あわただしい日常生活に、知的な潤いと豊かさをもたらしてくれる読書。その時間を大切にするためにも、読書のある日常生活にふさわしいメガネレンズを選んで、より健康で快適な視生活を送ることを心がけたいものです。

読書に適したメガネとして3タイプの室内用メガネレンズをご紹介します。


▼1.手元専用メガネ ~読書に適したレンズ


一定距離にピントを合わせたもので、読書や縫い物などで長時間手元を見続ける時に便利です。視野が広く、細かな文字も楽に読めます。慣れやすいので、特にシニアメガネ初心者におすすめします。


▼2.パソコン用メガネ ~パソコンや楽器演奏などに適したレンズ


手元から60~70cmぐらいまでのものがくっきりみえます。単焦点のシニアメガネより、深い奥行きまでピントがあうため、手元の書類や キーボードからパソコンのモニター画面までを快適に見ることができます。デスクワークやパソコン作業にぴったりのレンズです。

★おすすめレンズ → 「パシュートXシリーズ(ルームタイプ)」「インテグラルシリーズ(ルームタイプ)」


▼3.室内用メガネ ~オフィスワーク・家事などに適したレンズ


室内用に設計されたレンズです。手元の細かい文字から少し離れたところにいる人の顔までしっかり見ることができます。料理や洗濯をする、TVを見る、会議に出る、趣味用に使うなど、さまざまな室内作業に便利なレンズです。車の運転など屋外での使用には適していません。

★おすすめレンズ → 「パシュートXシリーズ(オフィスタイプ)」「インテグラルシリーズ(オフィスタイプ)」



いかがでしたか?「次はこの本を読もう!」と決めているあなた、その前にぜひ、あなたの読書にとって最大の友人であるあなたの目に、ちょっとした気遣いを忘れないであげてくださいね。