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目とメガネに関する豆知識
最近電車に乗っていると、スマートフォンや携帯電話の画面に見入っている方を、たくさん見るようになりました。メールをしている人もいれば、小さな画面で驚くほど細かい画像の携帯ゲームに熱中している人もいます。いまや、スマートフォンに代表される携帯端末は生活に欠かせないアイテムの一つになった・・・という人は多いのではないでしょうか。
さて、その携帯端末ですが、最近画面が見づらくなって、画面を遠ざけるとよく見える。なんてことはありませんか?
もしそんな症状が出ているあなたが40代以上の年齢だった場合、一度視力測定をしておいた方がいいかもしれません。 近くのものが見えにくくなる症状が出てきたら、老視のはじまりかもしれません。症状の出る時期に個人差はあるものの、老視にならない方はいません。
「老視なんて、まだまだ」と思いたくなる気持ちは誰でも同じですが、やがて近づいてくる50代、60代に快適な視生活を過ごすためにも、老視の症状に気づいたら、なるべく早いうちに老視用のメガネに慣れておくことが重要です。
それでは、今回の豆知識は「ミドルエイジ~シニア向けのレンズ」についてご説明します。

■1.自覚症状のチェック


一般的に「老視」は40歳前後から始まると言われていますが、実際のところは45歳頃から老視用のメガネを掛ける方が多いようです。現在、40歳以上で下記事項に思い当たる点がある方は老視が考えられます。


1.本や新聞を読むとき紙面を遠くに離すようになった
2.携帯端末の文字が見づらい
3.夕方近くになると目が疲れた感じがする
4.肩こりがする
5.なんとなく近くが見づらい  etc…


目が疲れやすくなったり、物が見づらくなるシーンが多くなってくると、自分の年齢…つまり老化を感じたりして、がっかりするかもしれませんよね。



■2.レンズの選択


老視用レンズにはいくつかのタイプがあります。
ここでご紹介するのは【累進屈折力レンズ(るいしんくっせつりょくれんず)】という種類のレンズです。遠近両用、中近、近々等、見たい距離に応じた様々なタイプがあり、老視用のレンズとしては今や主流となっています。
他に最近ではほとんど見かけなくなりましたが「二重(三重)焦点レンズ」という「レンズに境目のある」レンズがあります。このレンズを掛けていると一目で老視だということがわかってしまうので外観上あまり好まれませんね。

さて、今回はこの【累進屈折力レンズ】の種類について、いくつかご紹介していきます。


▼1.遠近両用レンズ

遠方からお手元まで1本のメガネで済み、掛け外しをしなくて済むのでとても便利なレンズです。このレンズは、遠く・中間・近くが見えるように、度数を遠用→中間→近用と徐々に変化させています。
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したがって、掛け始めの慣れないうちはユレ・ユガミなどの違和感を感じたり、視野(見える範囲) が狭く感じるといったことがあります。(ほとんどの方はすぐに慣れてしまいますが。)こうしたユレ・ユガミや視野の問題は度数が進めば進むほど顕著になってきますから、なるべくなら、遠~近の度数変化が強くならないうちから使用し始めることがポイントです。
加入度数が強くなってから掛け始めると、慣れづらく、慣れるまでに時間がかかってしまいます。加入度数によっておすすめレンズが違いますのでお店で相談しましょう。

セイコーではお客様一人ひとりの処方度数や装用状況に合わせて、様々な設計のレンズをご用意しています。
「SEIKO インディヴィジュアルレンズ」


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▼2.中近レンズ(室内用レンズ)

室内専用のメガネとして開発されたレンズで、3~4m前後からお手元まで1本のメガネで掛け外すことなく見ることができます。したがって、料理や、掃除、テレビを見る、読書など、室内作業に最適なメガネといえます。また、会議の際にボードを見たり、手元の書類を見たりするのにも最適です。
なお、中近メガネをはじめて作成する場合は、見え方を確認する為にトライアルレンズで 「どのくらいの範囲まで・どういう見え方をするレンズなのか」 ということを実際に体験してから購入することをおすすめします。
奥行き感のあるスムーズな視野を確保する屋内用 中近レンズ≫「インドアLD」
手元から少し先の中間距離まで鮮明に見える室内用 中近レンズ≫「インドアMD」


▼3.近用ワイドレンズ(パソコン用レンズ)

中近レンズよりも奥行きは狭くなりますが、手元をワイドに見ることができるレンズです。
通常の単焦点老視用レンズと中近レンズの中間的な商品ということになります。デスクワーク中心でデスク周りをワイドに見たい方には最適なレンズです。
例えば、通常の単焦点老視用レンズは手元の30cm前後しか見えませんのでパソコンをする場合などはキーボードはよく見えるものの、モニター画面はよく見えません。近用ワイドレンズなら、そのような問題をクリアすることができます。
パソコン使用時の使い勝手を最大限考慮した 近々レンズ≫「インドアPC」


■3.老視用レンズを使用する上でのポイント


さて、そこでミドルエイジからシニアの方で「そろそろ老視用メガネを検討した方がいいのかな?」と思いはじめているみなさんに、老視用レンズをかけ始めるタイミングに関するポイントをいくつかあげてみましょう。


ポイント①

自覚症状が出て、我慢の限界を超えてから累進メガネを掛けようとしても、なかなか慣れにくく、慣れるまでにかなりの時間がかかってしまいます。したがって、45歳位から、つまり加入度数が弱いうちから掛け始めることが大切です。
40歳代向け新発想快適カスタムレンズ≫「パシュートEV」


ポイント②

老視が進み度数が強くなると、1本のメガネですべてのシーンに対応することが難しくなる場合もあります。そこで、ライフスタイルに合わせて、家や会社など室内にいるときは中近メガネを、パソコンや読書のときは近々メガネを使用するなど、遠近両用メガネとの使い分けをすることも大切です。


ポイント③

老視は年齢とともに進行しますので、2~3年に一度は新しいメガネに買い替える必要があることを認識しておくことも大切です。春の検査、秋の検査と、年に2回程度は眼科で定期検査を受けましょう。 イメージ


■4.累進屈折力レンズを選ぶとき・お店を選ぶときのポイント


さて、いざ老視用メガネを作ってみようと思い立ったとき、どんなことを念頭において、お店の人に伝えたらいいのでしょうか?また、どんなお店で老視用メガネを作るのが良いのでしょうか? そのポイントをいくつかあげてみたいと思います。


ポイント①

ライフスタイルに合わせてメガネを作成することになるので、視力測定の前に使用目的を正確に伝えましょう。
たとえば、主にどのくらいの距離まで見えるメガネを作りたいのか?どんなシーンで使いたいのか?などを正しく伝え、きちんと測定してもらうことが大切です。


ポイント②

より自然な見え方を確保するためには、特に50歳を超えてから累進メガネを掛けようとされる方は、レンズの内面に度数変化をつけた、ユレ・ユガミが少なく視野の広いインディヴィジュアルレンズを選択されることをおすすめします。


ポイント③

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年齢が増すと、下方回旋力(下の方を見る力)が衰えてくるので、累進帯長(度数が徐々に変化していく中間部)が短いほうが見やすくなります。しかし、累進帯が短いタイプは狭い領域で度数が変化するため、その分ユレ・ユガミも増え、慣れづらいという側面もあります。これらのことをよく相談の上、選択されることが大切です。


ポイント④

メガネの価格はお店によっても性能によっても様々です。お店の方とよく相談して、ご自身の状態にあった累進レンズを選ぶことがまずは大事です。


お店を選ぶ際には、上記のポイントをしっかり押さえた上で的確なアドバイスをしてくれて、測定経験の豊富な店員さんがいるお店を選ぶようにしましょう。



いかがでしたか?
老視用メガネやレンズに今まで多少抵抗のあった方、試してみたいけど、自分はいつ頃からかければいいのか、どんなタイプのレンズを選んだらいいのかわからないと感じて躊躇していた方、参考になりましたでしょうか?

老視という言葉に抵抗があるのは誰も同じですが、目は一生仲良くつきあっていきたい大事な体の一部です。
自分の目や視力を、末永くいたわって健康に過ごしていくためにも、老視用メガネ、レンズに対する正しい知識をもって、ご自分の快適な視生活を送る参考にしてみてくださいね!!