快適視生活応援団目とメガネに関する豆知識レンズ・フレームについて レンズについて > セイコーレンズ物語(2) ~セイコーレンズの製造現場を訪ねて~

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高度な光学技術を支えるもの

はレンズです。私はいま、レンズ製作工程のすべての検査に合格して、「セイコー」の「品質保証マーク」を私自身に押してもらうのを待っているところです。
「セイコー」の「品質保証マーク」。これこそ私が、セイコー光学技術の結晶であることのいちばんの証しです。レンズとしての信頼性は誰にも負けない・・・そんな自信を私にもたせてくれる「品質保証マーク」をいよいよ私は押してもらうのです。
セイコーレンズ物語(1) 」の私は「SSV」のお話をしましたが、「後編」の私は世界初の「内面累進」のお話をいたします。

●発想を大切にする自由な気風

は内面累進設計のレンズです。  この「内面累進」という技術は、セイコーが世界で初めて開発した先進的、画期的な設計方法。ユーザーもどんどん増えています。でも、この「内面累進」。発想の段階では、ごく少数の設計者や技術者の「夢」のようなものでした。より多くの人に、より良いレンズを使ってもらう「夢」・・・。いわば、通常の仕事とは離れた部分での、真剣ながら、人知れない模索でした。原理的にいいことはわかっている「内面累進」を、製品として具体化するにはどんなレンズ設計がいるのか、どんな研磨技術がいるのか。難問でした。アイディアが「夢」の域を出て、なんとか製品化できそうなところまできた時に、はじめて「仕事」として会社に報告しましたが、それは発想を得てから1年以上もあとのことでした。

社がえらいのは、そんな「夢」にも応援する態勢をいつももっていることです。発想を大切にし、技術の力を信頼するその考え方は、セイコー全体に進取と自由な社風をしぜんにつくりだしています。もしそれがなければ、いまの私だって生まれていなかったかもわかりませんね。

らに1年後に「内面累進レンズ」は商品として完成し、マーケットからも大きな支持を得ました。会社の業績にも大いに貢献したのですが、「社長賞」に輝いたその名誉は、「実績」よりも「技術力」に対してのものでした。人の真似はしたくない、ひとつもふたつも抜きんでたものをつくりたいという強烈なパイオニア精神の持主である設計者や技術者にとって、これはとても励みになることでした。「 両面非球面 」も「 スーパーP-1 」も、もとをただせばこのようにして生まれ、いまでは画期的といわれる製品です。自由な社風が高度な技術の糧になっているのでしょう。
私がこの2日間で経験したことのすべてに、このような会社の風土で育ったテクノロジーがあったのでした。

伊那松島にあるセイコーエプソン(株)
●検査、検査、検査、検査・・・

日間の製造工程のあいだに、私は6度もの検査を受けました。工程ひとつひとつの段階ごとに、指示書どおりにできているかを調べる厳密な検査があるからです。これは、高品質なレンズをつくるために、またその信頼性をセイコーブランドとして守っていくために絶対に必要なこと。使ってくださるユーザーに対する、セイコーの誠実さのあらわれでもあるのです。

査は、私が受けたものだけではありません。私が実際に製品化される前の開発段階で、行われる数々のテスト。例えば、耐衝撃性とか耐熱性などの検査、がそれです。そのほかにも電子顕微鏡や三次元測定器まで使って、レンズのさまざまな機能が、徹底的にチェックされています。これらの検査をすべてパスしてから、はじめて、セイコーのレンズとして私達は製品化されていくのです。

が自分の品質に自信を持って、お客さまのもとへ旅立つことができるのも、身をもってこのような検査をクリアーしてきているからです。1枚1枚のセイコーレンズやブランドとしてのセイコーレンズをしっかりと支えているのは、製造現場での妥協のない検査システムなのですね。

材料物性検査

耐加圧性テスト

耐候性テスト
●情報を共有する現場

造現場のさまざまな工程で、よいレンズをつくるために仕事をしている人達の熱心さを、私はたくさん見てきました。いつも私に向けられている厳しい目は、私をよいレンズに育てるための、いわば愛情の眼差しでもあったのです。

の工程でもよく見かけたのは、現場の壁面の掲示板に貼ってある、いろいろなレポートです。新しい機械の扱い方とか、より効率のよい仕事の流れのつくり方とか、写真もつかった、わかりやすい現場のノウハウ集なのです。

示板は、現場に十数カ所もあって、その掲示板を見て歩くだけでも、現場のいま、現場のこれからが具体的にわかるようなものにも見えました。その情報やノウハウを介して、おたがいのコミュニケーションもとれることでしょう。この「掲示板」にあらわれているプロフェッショナル意識が、私のクオリティを高めてくれているにちがいありません。間もなくセイコーの「品質保証マーク」をいただく私は、ここで仕事をするひとりひとりの方々の「品質保証マーク」をいただいている、レンズでもあるのです。
耐擦傷性テスト
●1枚のレンズと環境

が生まれた伊那松島は、空気も水もきれいな長野県の伊那盆地にあります。  明るくきれいなレンズにふさわしい生まれ故郷なのですが、その伊那松島にある、セイコーレンズの製造現場セイコーエプソン(株)光学事業部は、早くから環境問題に取り組んできました。

ころで皆さん、ISOってご存知ですか。環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格のことですが、この事業部は、1997年7月、日本のレンズ業界で初めてISO14001の認証を取得しました。いまはどこの企業も環境問題と向き合う時代ですが、セイコーの取り組みは、より先進的かつ実践的であったことのあらわれといえるでしょう。

1997年をベースとして、2010年までに40%の省エネ、廃棄物はゼロと、現在かかげている目標は、ISO取得企業として、既に実施しはじめている具体的な数値目標でもあるのです。

境保全が、企業にとっての社会責任であるように、高品質で信頼性の高い製品をつくるのもまた企業の責任です。セイコーレンズは、そういう役割も担って生まれてくるものです。私は、軽くて薄い1枚のレンズですが、その軽さと薄さの中にもより明るく、より人間にやさしく、より快適な生活環境をめざすセイコーの願いがこめられています。そのために私も、1枚のセイコーレンズとしてお客さまのお役に立てるようがんばるつもりです。

、「セイコー」の「品質保証マーク」を押してもらう私の順番がきました。これで私もとうとうセイコーブランドの高品質レンズの仲間入りができます。嬉しいことです。
それでは皆さん、どうぞ、セイコーレンズであなたのベストビジョンをお楽しみください。
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