新紙幣発行記念 トピック展示
令和6年7月4日~8月20日
神奈川県立歴史博物館
常設展示室一角の小さな展示が控えめで
いい。ゆっくり堪能する時間も解説のボラ
ンティアさんも独占できてしまった。
前田さん楽しいお話ありがとうございました。
広重が描いた神奈川宿(横浜市神奈川区)
から臨む風景。坂本龍馬の妻おりょうさん
が仲居として働いた宿も描かれている(坂上から3件目さくらや/現在の料亭田中屋)。
欄干から釣り糸を垂れ下げたらしい。
現在はここから1キロ先まで埋め立てられ
ている。
今 神奈川県立歴史博物館では
北斎の浮世絵風景画と一緒に
新1,000円札が展示されている。
記番号AA000002AA
表の顔は北里柴三郎
裏が北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
神奈川つながりということで
日本銀行から贈られたのだそう。
海外では「グレイトウェーブ」として
知られる一方で神奈川の地名が忘れられている
そう書かれた控えめな解説を読むと
北斎ファンの県民として
カナガワを推したくなる。
神奈川沖は広重も北斎も描いていて
広重の神奈川宿からのおだやかな絶景とは
対照的な北斎の荒れた海。
ダイナミックな構図だけでなく
藍の輪郭線や藍刷りにみられる
当時ヨーロッパからやってきたベロ藍の青が
絵師北斎の心をつかみ
北斎風景画に命を吹き込んでいる。
展示されている丹波コレクションの
神奈川沖浪裏に鮮やかさは残っていなくても
想像を掻き立てるに十分過ぎる貴重な一枚。
グレイトウェーブが世界に何枚存在するか
わからないけど
真新しい紙幣の裏に収まったこの
小さなグレイトウェーブをきっかけに
「グレイトウェーブ」と一緒に
「カナガワ!」と
つぶやく人が増えたらうれしい。
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