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目とメガネに関する豆知識
最近、メガネをファッションとして楽しむ方が増えましたよね。 服装やTPOに合わせて複数のメガネを掛け換えるのは楽しいものです。 でも、メガネの一番の目的は、視力を矯正する為のもの。単なるファッションとして楽しむだけではない、医療用具です。 そこで、「メガネは医療用具」という原点に立ち返り、日本眼鏡技術者協会の津田節哉会長にメガネについての様々なお話を伺いました。 今月から数回に分けて、メガネの意義、視力測定の重要さ、眼鏡店選び・メガネ選びのポイントなどを皆様にお届けいたします。

今回のテーマは 「眼鏡」って何?  です。

眼鏡は一般的には、近視、遠視、乱視、老視などの眼の屈折異常を補正する用具です。
眼鏡には度の入っていない、いわゆる「伊達眼鏡」やサングラスなども含まれますが、ここでは度の入っている眼鏡について述べることとします。眼の屈折異常を補正する方法としては、眼鏡の他に、コンタクトレンズやレーザーによる手術、あるいは人工水晶体を挿入する手術などがありますが、眼鏡以外はいずれも医師による処方や処置が必要とされます。
眼鏡のレンズは、コンタクトレンズのように眼の角膜に接触することがないので、比較的安全な医療用具とみなされています。
しかし、眼鏡の度が合わなかったり掛け具合が悪かったりすると、頭痛や肩こり、めまいや自律神経の失調まで起こしかねず、健康にも影響を与えることが少なくありません。
従って、眼鏡などで視力を補正することを「ビジョン・ケア」と呼んでいますが、同時にそれは「ヘルス・ケア」にもつながっています。

近年、中国を初めとする東南アジアで生産される極めて安価な眼鏡フレームやレンズが特に若い人たちの間に普及し、一度に数本の眼鏡を購入して、ファッションの小道具のように掛け代えて楽しむ風潮が見られるようになりました。
眼鏡をファッションのアイテムとして考えること自体は決して間違ってはいません。しかし、本来の「ビジョン・ケア」「ヘルス・ケア」を考えた場合に、それらの眼鏡が正しい眼鏡の知識や技術の上に立って製作されているかどうかが問題です。
眼鏡の度数を決定する検査や、レンズを削ってフレームに入れる加工技術、そして完成した眼鏡を正しく顔にフィットさせる技術を習得するには、専門的な教育が必要となります。
あまり一般的には知られてはおりませんが、そのような眼や眼鏡についての専門知識・技術を学ぶことのできる「眼鏡学校」というものがあります。3~4年制の眼鏡学校を卒業した人たちには、厚生労働省の許可団体である(社)日本眼鏡技術者協会が「認定眼鏡士」として認定しており、現在全国で8,500名を超える「認定眼鏡士」が活躍しています。

しかし、今は様々な業態の眼鏡店があり、それらの眼鏡店の中には、検査や加工は機械に頼り、十分な知識や技術を持たないお店も見受けられます。これではいくら眼鏡の代金が安くても、眼鏡を掛けて頭痛がしたり、健康を害したりしてしまう恐れもあり、本来の「ビジョン・ケア」「ヘルス・ケア」からは遠ざかってしまいます。
眼鏡は、近視、遠視、乱視、老視などの屈折異常が正しく適切に補正されて、毎日快適に使用出来るものでなければなりません。その上で、美的にもファッション的にも優れ、いろいろな生活のシーンで楽しめるものであることが理想です。それにはなんといっても、眼鏡についてのきちんとした知識・技術を持っている店員がいるお店で購入することが大切です。そのお店選びのひとつの指標として、先ほどご説明した「認定眼鏡士」のいるお店を選ばれることを提案いたします。
この機会に眼鏡という日常の用具を改めて見直していただきたいと思います。


監修:日本眼鏡技術者協会会長 津田節哉
日本眼鏡技術者協会 ウェブサイト http://www.megane-joa.or.jp/