皆さんは、新しいメガネを購入する際、何をポイントにレンズを選びますか?
価格でしょうか?軽さ?それともフィット感?
以前、快適視生活応援団で行ったアンケートでは、「メガネレンズを選ぶ際のポイント」としてもっとも多くの人が挙げた答えが、「価格」そして「薄さ」という結果になりました。
厚いレンズは、見た目が悪くなったり、目が変形して見えたりすることもあり、気になりますよね。また、度数によってはふちなしフレームに入れると厚みが目立ってしまうため、選べるフレームが限られてきます。レンズが薄いと、目元がすっきりと美しく見えるだけでなく、選べるフレームも増えたりと、より快適な視生活を過ごせます。
では、そもそもレンズの薄さはどのような要素によって決まるのでしょうか?
今回の豆知識は、「薄型レンズのしくみ」についてお送りします。
■1.レンズの薄さの決め手は「素材」
レンズの薄型化に最も重要な要素、それはレンズの素材。同じ度数、同じ設計の場合、屈折率と呼ばれる数値が高い素材ほど、レンズは薄くなります。光の屈折とは、媒質の異なる境界面で、光がその進行方向を変えることをいいます。屈折率とは、その素材が光をどれだけ屈折させる能力があるかということを示すための値であり、以下の通り一般的には材質によって異なります。
現在のプラスチックレンズには、屈折率が1.50から1.76のものまであり、この値が大きいほど、同じ度数のレンズでも薄く仕上げることができます。ちなみにセイコーでは、1.50・1.53・1.55・1.60・1.67・1.74の屈折率のレンズをとりそろえています。
■2.「非球面設計」がポイント!
次にレンズの薄型化の重要な要素となるのが、「設計」です。レンズにはいろいろな設計方法があり、厚みや見え方などに影響します。
▼1.球面設計レンズ
レンズのカーブが球の一部を切り取った形をしている、一般的なレンズです。度数が強くなると、鮮明に見える範囲が狭くなったり、物が歪んで見えたりすることがあります。また、レンズが厚く重くなるなど不利な点があります。
▼2.非球面設計レンズ
レンズの外面が、複数のカーブを組み合わせるように設計されています。非球面設計レンズの特徴は、レンズ周辺部のボヤケやユガミを減らし、球面設計レンズより薄く軽くすることが出来ます。球面設計のレンズより快適なレンズです。
▼3.両面非球面設計レンズ
レンズのカーブが外面・内面ともに非球面になっている先進設計レンズです。非球面設計がレンズの両面に施されているため、ボヤケやユガミが少なくなるとともに、非球面設計よりもさらに薄く軽くすることが可能となりました。
▼4.ZONE設計レンズ
両面非球面設計レンズにカスタム要素を加え、さらに進化させた最新のレンズです。「快適な装用感(機能性)」と「スタイリッシュな外観(薄さ・ウズの減少によるファッション性)」という相反する2つの要素を同時に実現した世界初の設計で、メガネを意識させない「見やすさ」「薄さ」を同時に実現したカスタムレンズです。
■3.「高屈折率素材」+「ZONE設計」=最高レベルの薄さ!
セイコーが世界で初めて実用化した「ZONE設計」と、「高屈折率素材」を組み合わせた『セイコーA‐ZONE1.74』は、レンズをより薄くすることを可能にしています。またフレームに合わせてレンズのカーブを選択できるため、色々なフレームにも合わせやすく、自由にファッショナブルに楽しめるようにもなりました。
いかがでしたでしょうか。
レンズの薄型のポイントは「屈折率」と「設計」。ただ、高屈折率の素材ほど、価格が高くなることが多いのも事実です。また度数やフレームの形によっては、0.1~0.2ミリくらいしか変わらない場合もあります。
眼鏡店では屈折率ごとに、あなたのレンズがどの位の厚さになるのかおおよその値を教えてくれます。薄さと予算の兼ね合いで、納得できるレンズを選んでくださいね。