快適視生活応援団目とメガネに関する豆知識目の健康 目の病気 > 生活習慣と目の病気 ~「糖尿病網膜症」と「加齢黄斑変性」~

目とメガネに関する豆知識

●糖尿病網膜症

▽「糖尿病」ってどんな病気?
そもそも、「糖尿病」ってどんな病気なのでしょう。「糖尿病」とは、年齢や遺伝が原因となるほかに、運動不足、ストレス、アルコールの採りすぎや食べすぎが原因となるために、「生活習慣病」とも呼ばれます。この「糖尿病」になると、特に神経と血管や臓器に障害が出てきて、その結果、主に次の3つの症状が現れると言われています。 1つが全身の神経の働きが鈍ってくる「神経障害」、2つめが腎臓の機能が低下する「腎症」、そして最後に目の網膜に影響を与える「網膜症」です。

▽「糖尿病網膜症」ってなあに?
「糖尿病」の結果起きる血管の障害というのは、血管が弱くなって破れてしまったり、詰まってしまったりする、ということです。この「糖尿病」による血管の障害が目で起きるとき、これを「糖尿病網膜症」といいます。
目の中にある「網膜」という部分は、カメラでいうとフィルムにあたるとっても大切な部分です。外から目に入ってきた光が、目のレンズである水晶体を通って目の奥まで入っていき、一番奥にある「網膜」に映し出される、という役割をもっています。
「糖尿病網膜症」になると、この「網膜」の血管が詰まってしまうことがあるのだそうです。血管が詰まってしまうと網膜の周りでは血液が栄養を運べなくなってしまうので、栄養が不足してきます。それでは困ってしまうので、新しい血管ができて栄養不足を解消しようとするのですが、この新しい血管がくせものなんです。
この新しい血管は、栄養不足を補うために緊急で作られたため、破れやすく、ちょっとしたことで出血してしまうのだそうです。この出血が眼球の中に流れ出てしまうと、この血液にじゃまされて外から入ってきた光が「網膜」に届きにくくなってしまいます。このため、視力が急に低下したりしてしまいます。
「糖尿病」は、あまり自分で実感の湧かない、自覚症状の少ない病気だそうです。このため、完治する前に治療を途中でやめてしまう方が多いのだとか。もし今年の健康診断で「注意しましょうね。」と言われたら、ご自身で判断してしまわないで、時間を作ってぜひ治療しておきたいものです。


●年齢が上がるにつれて気をつけたい「加齢黄斑変性」

▽「加齢黄斑変性」とは?
「加齢黄斑変性」とは、眼球のいちばん奥にある「網膜」に侵入した血管が出血を繰り返すことで、眼に障害が起きる病気です。その結果、視力が弱くなったり目が見えなくなってしまったりすることがあります。 「加齢」という名前がついているように、この病気は特に60歳以上の年齢が高い方に多くみられ、欧米では失明の原因の上位にもあがっているんですよ。

▽「加齢黄斑変性」のしくみ
ここからは、「加齢黄斑変性」が起きる仕組みについてお話しましょう。 眼球のいちばん奥(底)の「網膜」がある部分のことを「眼底」といいます。この「眼底」のまんなか部分は少し黄色い色をしているので、「黄斑部」と呼ばれています。この「黄斑部」のさらにまんなかのところには、少しくぼんだ場所があって、「加齢黄斑変性」はこのあたりで起きる病気なのだそうです。「黄斑部」に異常が起きるから、「黄斑変性」というのですね。
この目の底の真ん中にあるくぼんだ部分には血管が通っておらず、普段はちょっと外側の、「脈絡膜」というところから栄養をもらっています。そして、年齢を重ねていくと、この「脈絡膜」との境目に隙間ができてきて、その隙間から新しい血管が入ってくるようになります。
新しい血管というのは先ほどの「糖尿病網膜症」のところでもお話しましたが、とってもデリケートで破れやすいものなのだそうです。ですから、この隙間をぬって出てきた血管が同じようにちょっとしたきっかけで破れてしまい、視力が落ちる原因になる、それが「加齢黄班変性」です。


●毎日の生活から、眼の病気を予防しよう!

「糖尿病網膜症」や「加齢黄斑変性」というと、字面だけで怖い感じがしてきますが、こういった病気を防ぐのに大切なのは、毎日の生活です。
「糖尿病」が食生活などに大きな原因がある「生活習慣病」というお話をしましたが、「加齢黄班変性」もいちばんの原因は食生活などの生活習慣にあると言われています。例えば、食生活が西洋風に変わっていくにつれて「糖尿病」の患者さんの数が増えてきていますし、「加齢黄班変性」の原因には脂肪分の採りすぎや紫外線、タバコといったものがあると考えられています。

◇生活習慣のからくる眼の病気の予防法◇

  1)禁煙がいちばん
  2)ビタミンE、ビタミンCを摂ろう
  3)脂肪分の摂りすぎには注意
  4)手で目をこすったり、顔に触らないようにしましょう
特に食生活では、ビタミンC、ビタミンEを多く含む食品といった抗酸化作用のある食べ物や緑黄色野菜を多く採って、バランスのとれた食生活を目指しましょう。ビタミンEはピーナッツやアーモンドなど、ビタミンCはレモンなどに多く含まれております。