今年の花粉症対策(2006年版)
インフルエンザや風邪がまだまだ猛威をふるっているようですが、みなさん体調を崩したりしていませんか?通勤電車や街中でもマスクをして歩く人の姿がたくさん目につきますよね。
でもこの時期に気をつけなければならないのは、インフルエンザや風邪ばかりではありません。もうすぐ2月になると今度はあの【花粉症】の季節がやってきますよ。
毎年花粉症に悩まされている人にとっては「あぁ~、またか」という感じですが花粉症はなによりも早めの予防がたいせつです。
そんなわけで今回の豆知識コラムは【花粉症】についてお届けします。
■1.日本人では10人に1人、東京都内では5人に1人?
花粉症が初めて日本で見つかったのは1961年、ブタクサによる花粉症患者が発見され、その2年後にスギ花粉症患者が発見されたといわれています。
それから約30年後の1996年、なんと日本人の約10人に1人という1200万人が花粉症であるというデータが報告されました。
しかもこの「1200万人」は、毎年必ず花粉症にかかる人数で、この数字には症状がいつも軽いけど、花粉が大量に飛ぶ年だけ発症する「花粉症予備軍」は含まれていないとされています。
まさに、花粉症が現代の国民病といわれるゆえんですね。
ところが、花粉症にかかる人の割合を東京都内に限って調査してみると、日本全体よりもぐっと割合が高くなって19.4%。つまり5人に1人が花粉症という、日本全体の2倍の割合で花粉症にかかる人が多くなってしまうのです。
これはなぜなのでしょうか?
■2.花粉症は、田舎よりも都会で起こりやすい
花粉症は、スギ花粉の元凶ともいえるスギの山林の近く(田舎)よりも、都会の方が発症しやすいといわれています。
理由のひとつめは、アスファルトで舗装された都会の道路です。
都会では、土の道路を見つけるのがむずかしいくらいほとんどの地面がアスファルトで舗装されています。
花粉が飛んできた場合、デコボコして湿った土の地面であれば、花粉も舞い上がりにくくなります。しかしアスファルトの上では、一度その上に落下した花粉は風や上昇気流でまた空気中に舞い上がることになるのです。
すると必然的に、空気中を花粉が飛び回るする時間が長くなり、その分花粉が人に吸われてしまう機会も多くなるというわけです。
もう一つの理由は、都会の排気ガス汚染です。
排気ガスの中でも「ディーゼル排出微粒子」という、非常に細かい活性炭があるのですが、花粉がこのディーゼル排出微粒子と空気中でぶつかると、花粉にキズがつきます。
すると、花粉の中にあるアレルゲン(アレルギー原因物質)が出やすい状態に変化してしまうのです。つまり、空気中のディーゼル排出微粒子が、花粉をよりアレルギーを起こしやすい花粉に変えてしまうというわけですね。
また、このディーゼル排出微粒子は空気中にあると、つねに、人の鼻の粘膜や肺胞を痛めています。
花粉症の原因となる花粉のアレルゲンと、このディーゼル排出微粒子を一緒に吸い込むと、花粉症を起こすのに関わっている「IgE抗体」という抗体が体内で作られやすくなるといいます。
都会に住んでいて、「スギ林の近くに住んでいるわけでもないのに、なんでこんなに花粉症で苦しまないといけないんだろう?」とふしぎに思っていた人もいると思いますが、花粉症って都会に住む人がかかりやすい病気だったんですね。
■3.今年の花粉はおとなしい??
ところで、そんな今年の花粉の飛散状況はどう予測されているのでしょうか?
昨年は記録的なスギ花粉の大量飛散がありましたが、それに比べると今年の花粉は「かなり少なめ」になると予測されています。
全国的に今年の花粉の量は去年に比べると、15~75%くらいにまで減少する見込みで、過去10年間の平均花粉飛散量と比較しても、60~80%ぐらいになる地域が多いそうです。ほっとした人もたくさんいるのではないでしょうか。
ただし、まだまだ油断は禁物ですよ。去年の春のスギ花粉の量はなんといっても記録的な多さだったのですし、しかも過去10年の間に花粉の量は2~3倍に増加しているといわれています。
そんな中の「60~80%」ですから、これではあまり「今年の花粉は少ない」といって、手放しで喜べるような数字ではないのかもしれません。
ただ、そんな中で一つ朗報が。今シーズン、花粉が飛び始める時期は、少し遅めだと言われています。
花粉症対策で一番大事なのは、早めの予防。「あ、これって花粉症かも...?」と自覚する前に、花粉症予防の知識をしっかりおさらいしておきましょう。
■4.花粉症対策は、早め早めが肝心
毎年ひどい花粉症に悩まされている人は、花粉のシーズンが始まる2週間前から抗アレルギー剤を服用し始めるのが一番効果的といわれています。(例年花粉が飛び始めるのは平均で2月10日頃)
また、薬での対策以外にも、花粉症を予防したり症状を和らげることのできる対策がいろいろありますので、いくつかご紹介します。
【お茶】
薬ではないので花粉症を治療できるわけではありませんが、症状を軽減させることができます。一時期花粉症対策として流行した甜茶(てんちゃ)も、花粉症が始まる2週間前から飲むと、効果も大きいとよく報じられていましたね。
お茶は甜茶(てんちゃ)以外に、緑茶のカテキンにも花粉症の症状を抑える働きがあるそうです。
【食べ物】
花粉症には、体を温め、冷えを追い出す食事が大切です。体を温めてくれる食べ物には主に以下のものがあります。
また、アレルギーを抑えてくれる「αリノレン酸」が含まれる野菜や海草類を多くとるようにするのも効果的です。「シソ」がアレルギーに良いといわれているのは、この「αリノレン酸」がたくさん含まれているためでもあるんですよ。
【衣服】
衣服には花粉がつきやすい素材とつきにくい素材があります。
羽毛やウールといった繊維は、花粉が一度つくと払ったぐらいではなかなか取れません。反対に、化繊や綿は花粉がつきにくく、払い落としやすい素材です。
化繊素材で、表面がツルツルしたロングコートなどはバッチリですね。
【マスク】
花粉症対策の基本中の基本といえば、やっぱり「マスク」。
マスクをすることによって、95%以上の花粉を除去できるそうです。
良いマスクの選び方は、花粉がよくとれること、そして息がしやすいということ。
市販されているさまざまなマスクで実験した結果、花粉を99%とらえ、しかも最も呼吸のしやすいマスクは2個100円の一番安価な使い捨てマスクだったという報告があります。花粉によるマスクの目詰まりや衛生面を考えると、高価なマスクを何日も使い続けるよりも、安くて良いマスクを少なくとも2日に一度、理想的には毎日使い捨てで使用するほうが良いそうですよ。
■5.花粉症対策には、コンタクトよりも断然メガネ!
そして本題のメガネですが、やはり花粉症の季節にはメガネが一番です。
コンタクトレンズではどうしても花粉が目に入ることによって炎症を起こしやすくなります。
花粉症用のメガネであれば、目に入る花粉の量をメガネをかけない状態の10~20%に抑えることができます。
「でも花粉症用のメガネってなんだか、ごついゴーグルみたい。普段にかけるにはやっぱり抵抗があるんだけど...」という人も、ご安心ください。
実は、ふつうのメガネをかけているだけでも、メガネをかけていない状態より目に入る花粉量は半分以下にすることができるのです。
つまり、ダテメガネやオシャレメガネでもかけないよりはかけた方がいい、ということです。
最近は、花粉症用のゴーグルタイプのメガネであっても、おしゃれなタイプのものがたくさん販売されています。
また、花粉症用のメガネではありませんが、花粉症対策のためマスクをする場合、メガネをかけているとレンズが曇ってしまうことがありますよね。そんなときにお役立ちな、曇りを防止するレンズがセイコーオプティカルプロダクツ(株)から発売されています。レンズが曇ってお困りの方にぜひおすすめします。
◎フォグレスコートのご紹介
もうすぐそこまできている花粉症の季節。
でも、考え方一つで予防もバッチリ、ポジティブに乗り切ることも可能です。
早め早めの花粉症対策で、今年の春も元気に過ごしていきたいものですね。
でもこの時期に気をつけなければならないのは、インフルエンザや風邪ばかりではありません。もうすぐ2月になると今度はあの【花粉症】の季節がやってきますよ。
毎年花粉症に悩まされている人にとっては「あぁ~、またか」という感じですが花粉症はなによりも早めの予防がたいせつです。
そんなわけで今回の豆知識コラムは【花粉症】についてお届けします。
■1.日本人では10人に1人、東京都内では5人に1人?
花粉症が初めて日本で見つかったのは1961年、ブタクサによる花粉症患者が発見され、その2年後にスギ花粉症患者が発見されたといわれています。
それから約30年後の1996年、なんと日本人の約10人に1人という1200万人が花粉症であるというデータが報告されました。
しかもこの「1200万人」は、毎年必ず花粉症にかかる人数で、この数字には症状がいつも軽いけど、花粉が大量に飛ぶ年だけ発症する「花粉症予備軍」は含まれていないとされています。
まさに、花粉症が現代の国民病といわれるゆえんですね。
ところが、花粉症にかかる人の割合を東京都内に限って調査してみると、日本全体よりもぐっと割合が高くなって19.4%。つまり5人に1人が花粉症という、日本全体の2倍の割合で花粉症にかかる人が多くなってしまうのです。
これはなぜなのでしょうか?
■2.花粉症は、田舎よりも都会で起こりやすい
花粉症は、スギ花粉の元凶ともいえるスギの山林の近く(田舎)よりも、都会の方が発症しやすいといわれています。
理由のひとつめは、アスファルトで舗装された都会の道路です。
都会では、土の道路を見つけるのがむずかしいくらいほとんどの地面がアスファルトで舗装されています。
花粉が飛んできた場合、デコボコして湿った土の地面であれば、花粉も舞い上がりにくくなります。しかしアスファルトの上では、一度その上に落下した花粉は風や上昇気流でまた空気中に舞い上がることになるのです。
すると必然的に、空気中を花粉が飛び回るする時間が長くなり、その分花粉が人に吸われてしまう機会も多くなるというわけです。
もう一つの理由は、都会の排気ガス汚染です。
排気ガスの中でも「ディーゼル排出微粒子」という、非常に細かい活性炭があるのですが、花粉がこのディーゼル排出微粒子と空気中でぶつかると、花粉にキズがつきます。
すると、花粉の中にあるアレルゲン(アレルギー原因物質)が出やすい状態に変化してしまうのです。つまり、空気中のディーゼル排出微粒子が、花粉をよりアレルギーを起こしやすい花粉に変えてしまうというわけですね。
また、このディーゼル排出微粒子は空気中にあると、つねに、人の鼻の粘膜や肺胞を痛めています。
花粉症の原因となる花粉のアレルゲンと、このディーゼル排出微粒子を一緒に吸い込むと、花粉症を起こすのに関わっている「IgE抗体」という抗体が体内で作られやすくなるといいます。
都会に住んでいて、「スギ林の近くに住んでいるわけでもないのに、なんでこんなに花粉症で苦しまないといけないんだろう?」とふしぎに思っていた人もいると思いますが、花粉症って都会に住む人がかかりやすい病気だったんですね。
■3.今年の花粉はおとなしい??
ところで、そんな今年の花粉の飛散状況はどう予測されているのでしょうか?
昨年は記録的なスギ花粉の大量飛散がありましたが、それに比べると今年の花粉は「かなり少なめ」になると予測されています。
全国的に今年の花粉の量は去年に比べると、15~75%くらいにまで減少する見込みで、過去10年間の平均花粉飛散量と比較しても、60~80%ぐらいになる地域が多いそうです。ほっとした人もたくさんいるのではないでしょうか。
ただし、まだまだ油断は禁物ですよ。去年の春のスギ花粉の量はなんといっても記録的な多さだったのですし、しかも過去10年の間に花粉の量は2~3倍に増加しているといわれています。
そんな中の「60~80%」ですから、これではあまり「今年の花粉は少ない」といって、手放しで喜べるような数字ではないのかもしれません。
ただ、そんな中で一つ朗報が。今シーズン、花粉が飛び始める時期は、少し遅めだと言われています。
花粉症対策で一番大事なのは、早めの予防。「あ、これって花粉症かも...?」と自覚する前に、花粉症予防の知識をしっかりおさらいしておきましょう。
■4.花粉症対策は、早め早めが肝心
毎年ひどい花粉症に悩まされている人は、花粉のシーズンが始まる2週間前から抗アレルギー剤を服用し始めるのが一番効果的といわれています。(例年花粉が飛び始めるのは平均で2月10日頃)
また、薬での対策以外にも、花粉症を予防したり症状を和らげることのできる対策がいろいろありますので、いくつかご紹介します。
【お茶】
薬ではないので花粉症を治療できるわけではありませんが、症状を軽減させることができます。一時期花粉症対策として流行した甜茶(てんちゃ)も、花粉症が始まる2週間前から飲むと、効果も大きいとよく報じられていましたね。
お茶は甜茶(てんちゃ)以外に、緑茶のカテキンにも花粉症の症状を抑える働きがあるそうです。
【食べ物】
花粉症には、体を温め、冷えを追い出す食事が大切です。体を温めてくれる食べ物には主に以下のものがあります。
野菜類 :タマネギ、ニンジン、かぼちゃ、ピーマンなど
穀類、豆類:もち米、味噌、インゲン豆など
肉類 :鶏肉、羊肉
果物類 :リンゴ、ナツメ、栗など
食べ物で気を付けるのは、たんぱく質をとりすぎないこと。牛肉や豚肉、乳製品やマヨネーズなどはできるだけ減らして、野菜や豆類、芋類中心の食事を心がけるといいでしょう。穀類、豆類:もち米、味噌、インゲン豆など
肉類 :鶏肉、羊肉
果物類 :リンゴ、ナツメ、栗など
また、アレルギーを抑えてくれる「αリノレン酸」が含まれる野菜や海草類を多くとるようにするのも効果的です。「シソ」がアレルギーに良いといわれているのは、この「αリノレン酸」がたくさん含まれているためでもあるんですよ。
【衣服】
衣服には花粉がつきやすい素材とつきにくい素材があります。
羽毛やウールといった繊維は、花粉が一度つくと払ったぐらいではなかなか取れません。反対に、化繊や綿は花粉がつきにくく、払い落としやすい素材です。
化繊素材で、表面がツルツルしたロングコートなどはバッチリですね。
【マスク】
花粉症対策の基本中の基本といえば、やっぱり「マスク」。
マスクをすることによって、95%以上の花粉を除去できるそうです。
良いマスクの選び方は、花粉がよくとれること、そして息がしやすいということ。
市販されているさまざまなマスクで実験した結果、花粉を99%とらえ、しかも最も呼吸のしやすいマスクは2個100円の一番安価な使い捨てマスクだったという報告があります。花粉によるマスクの目詰まりや衛生面を考えると、高価なマスクを何日も使い続けるよりも、安くて良いマスクを少なくとも2日に一度、理想的には毎日使い捨てで使用するほうが良いそうですよ。
■5.花粉症対策には、コンタクトよりも断然メガネ!
そして本題のメガネですが、やはり花粉症の季節にはメガネが一番です。
コンタクトレンズではどうしても花粉が目に入ることによって炎症を起こしやすくなります。
花粉症用のメガネであれば、目に入る花粉の量をメガネをかけない状態の10~20%に抑えることができます。
「でも花粉症用のメガネってなんだか、ごついゴーグルみたい。普段にかけるにはやっぱり抵抗があるんだけど...」という人も、ご安心ください。
実は、ふつうのメガネをかけているだけでも、メガネをかけていない状態より目に入る花粉量は半分以下にすることができるのです。
つまり、ダテメガネやオシャレメガネでもかけないよりはかけた方がいい、ということです。
最近は、花粉症用のゴーグルタイプのメガネであっても、おしゃれなタイプのものがたくさん販売されています。
また、花粉症用のメガネではありませんが、花粉症対策のためマスクをする場合、メガネをかけているとレンズが曇ってしまうことがありますよね。そんなときにお役立ちな、曇りを防止するレンズがセイコーオプティカルプロダクツ(株)から発売されています。レンズが曇ってお困りの方にぜひおすすめします。
◎フォグレスコートのご紹介
もうすぐそこまできている花粉症の季節。
でも、考え方一つで予防もバッチリ、ポジティブに乗り切ることも可能です。
早め早めの花粉症対策で、今年の春も元気に過ごしていきたいものですね。