まず不満点を解消すべく、できるだけ細くコンパクトに設計して「軽さ」を追求しようと考えました。そうすれば痛さや食い込みなどが軽減され、毎日使っても快適です。
さらに、しなやかな機能性を加えることにしました。専門用語ではその機能を「バネ性」というのですが、掛けるときには柔らかく広がり、掛けた後にはピタッとフィットしてずれ落ちないような、ホールド感のあるメガネです。細いと壊れやすいと思われがちですが、デザインに適した丈夫な素材を使っています。
軽さとバネ性があって、適度にしなるため壊れにくい。それらがバランスよく相まって心地よさに繋がると考えました。

可愛らしさを出すために、プロジェクトメンバーの若い女性たちの意見を参考にしました。テンプルはキラキラした細いチェーンネックレスをイメージし、淡水パールやミル打ち装飾（玉状の連続彫り模様）などのアクセサリー的要素をワンポイントとして取り入れています。
普段身に着けているアクセサリーの邪魔をしないようできるだけシンプルにしましたし、アクセサリーをつけない人には代わりとして楽しんでいただけるのではないかな、と思っています。
また、春に向けての発売なので、ウキウキしておしゃれをしたくなるようなパステル調のカラーを中心に展開しています。

そうなんです。たぶん、50代の女性たちは若いときにメガネがブームではなかったので、メガネに対して「美貌が落ちる」「垢抜けない」など、あまりよいイメージを持っていないと思うんです。ただ、手元が見えにくいとなるとメガネは必要不可欠なものになってきます。
「毎日掛けなければならないもの」という前提で、どんなメガネを選ぶのかというときに、「かわいい！」と感じる第一印象も大切ですし、メガネに対する不満の解消も大切ですし、年齢相応の質感も大切です。そうした“いいとこ取り”のメガネとはどういうものか？に向き合いたかったんです。
昔、細いフレームが流行したことを知っている世代ですから、昔のまんまでは受け入れていただけません。レンズシェイプもカラーも時代に即したものにアレンジしているところが「Lune Doux」のセールスポイントです。「こういうのが欲しかったの！」という運命的な出会いを感じてもらえたら嬉しいですし、実際に使ってもらったら、メガネに対するマイナスイメージも払拭されるんじゃないかな、と思っています。

ちょっと耳慣れない名前だとよく言われます。でも何度か言っているうちに愛着がわいてくるんですよ。商品コンセプトがブランド名にきちんと反映されていて、かつ短めで語感のいいものにしたかったんです。
プロジェクトメンバーで揉んでいるうち、最後の最後に「Doux」が出てきたんです。英語なら「Soft」。「柔らかい」とか「心地よい」という意味を持つフランス語です。同じフランス語の「Lunettes（メガネ）」を組み合わせてLune Doux（ルネ・ドゥ）と名付けました。なので「心地よいメガネ」という意味になります。