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[第1回]レンズ工場見学編新商品「パシュートCV」の製造工程を訪ねて2010.8

※「セイコー パシュートCV」は販売を終了しております。さらに快適な使い心地にグレードアップした後継機種、クロスサーフェス®設計採用インディヴィジュアル遠近両用レンズ『セイコー パシュートCV-X』の詳細は、こちらをご覧ください。
レポーター
メガネの重要なパーツのひとつである、レンズ。遠視用、近視用、遠近両用、など様々な種類がありますが、いったいどんな場所でどんな風に作られているのか、考えたことはありますか? セイコーのレンズは、長野、大阪、フィリピンにある3つの工場で作られています。今回は、9月に発売された遠近両用レンズ『セイコー パシュートCV』の製造工程を快適視生活応援団会員レポーターの山中さんと一緒に、事務局スタッフで見学に行ってきました!山中さんの工場体験レポートをご紹介します。
こんにちは、快適視生活応援団会員レポーターの山中です!40代後半の私は、最近目元の焦点がすぐに合わなくなったり、小さい文字が読みづらくなってきました。やだぁ、これは老視の始まり?!中学の頃から近視なので、ずっとメガネやコンタクトのお世話になっていますが、そろそろ遠近両用メガネが必要かなぁ・・・でも遠近両用メガネってどうもユレやユガミがあるとか、目が疲れやすい、という話を聞きます。確かに近視と老視を一枚のレンズだけで上手く補えるのかしら?どんな構造になっているの?老視初心者の私には??分からないことばかり。これから少しずつ老視を受け入れないといけない今、遠近両用メガネの選び方ってとても気になります。

そんな時、セイコーさんの9月の新製品、『セイコー パシュートCV』の製造工程を見学してみないかと事務局の方からお誘いがありました(^^)レンズの製造工程を実際に見学し、遠近両用メガネについてもいろいろ伺えるよい機会!と思い長野県、上伊那郡箕輪町の伊那松島にあるセイコーエプソン(株)光学事業部へ行ってきました!
今夏は日本列島どこも猛暑、長野県の伊那松島も暑かったのですが、風は爽やかで雄大な自然と澄んだ空、空気が美味しいところでした。JR伊那松島駅から車で5分とかからない場所に、4万?の広大な敷地、その中に白くすっきりとした建物が見えてきました。

本館に入ると、玄関で事業所の方々が笑顔でお出迎えしてくださいました!新宿から片道3時間かけてここまでたどり着きましたが、事業部の方々の歓迎と労いの言葉でその疲れも一気に吹っ飛んでしまいました!皆さんとても穏やかな方ばかり!そして応接室で事業部の方から今日のスケジュールと会社、事業部の説明を受けました。
1942年、長野県諏訪市で創業したセイコーエプソン(株)、1964年の東京オリンピックでは公式計時をセイコーグループが担当し、「世界のセイコー」と親しまれてきました。
今では、プリンターやプロジェクター、そしてメガネレンズでも世界中で有名ですね。続いてレンズの製造工程をVTRで説明していただきました。レンズができるまでの工程とは・・・
・・・といくつもの工程を経てやっとレンズが完成します!おおよその流れを頭に入れた後、いざ工場へ・・・

まず、レンズの原型を作る工程です。
フタを2つに合わせたようなガラス製の円形の母型とテープで組み立てたキャビティ内(空間)に、トロリとした液体(モノマー)が注ぎ込まれます。これがレンズになるのです。そして固めるために熱で一昼夜温められた後、母型から取り出されゴミや傷がないか検査されます。このあとも色々な工程で厳しい検査がありますがすべてにクリアして初めて合格!セイコーレンズの品質の高さはこうして生まれるんですね。

最初の検査が終わると、次に研磨の工程に入ります。
ここではメガネ店でお客様の条件や要望をお聞きした注文書通りに、一つ一つ丁寧にレンズが削られていきます。お客様の度数はもちろん、屈折状態、その方のくせや生活パターン、用途など細かい情報までプログラミングされ、機械で精緻に削っていくそうです!注文の分だけ研磨の仕方があり、まさに世界に一つだけのレンズ!これほど精密だったとは驚きです。

遠近両用のレンズもここで削られ累進(遠用から近用までの度数変化)面を作ります。遠近両用と言えば、物を見るときに感じる「ユレ・ユガミ」が気になるということをよく聞きますが、それを改善するための技術がここにありました。
昔はレンズの外面を累進面とする技術しかなく、そのためにユレ、ユガミが大きかったそうですが、セイコーは世界で初めてレンズの内面に度数の変化をつける『内面累進』の研磨技術を製品化して、ユレ・ユガミが少ないメガネレンズを作ることに成功したのだそうです。それまでは「内面に累進面を作れば、ユレ、ユガミが軽減される」と開発に携わる方々は原理的に分かっていても、それに伴うレンズ設計や研磨技術がなかなか確立しなかったそうです。なので商品化できたことは世界でも先進的、画期的だったそうです!

世界中の多くの開発者の方々の夢を実現したレンズ・・・そして私たちがそのレンズのお陰で快適な生活を送ることが可能になった・・・そう考えると薄くてクリアな1枚のレンズからスケールの大きな、たくさん方々の夢や希望や幸せを感じてしまいます。
研磨の検査が終了したら、今度はカラーレンズのための染色です。染料が入った槽にレンズを浸しますが、レンズの色の濃さによって浸す時間も変わってきます。一つの機械でグラデーションも自動に付け、同時に光を当てて指示通りに色がついたかを確認することもできるそうです。

この後、コーティング処理をして、最終検査へと入っていきます。

(次ページへつづく)

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