限定販売していたユニフォーム型手提げパッケージの「侍ハーバー」。味も勝ちにつながる〝勝栗抹茶〟。
焙煎されたコーヒー特有の茶色も褐色(か
っしょく)。
今年のGW「ゆ~わくワイド」TOS放送で機能レンズを紹介しました。5月の紫外線は夏並み。思わぬ「褐色」にならないように肌も目もケアしましょう。
ふだん何気なく使っている色名にふと
あれ?っと思うことがある。
野球日本代表ユニフォームに使われた「紺色」。
『MUSO』(最強=無双)をコンセプトに
『紺色は褐色/勝色(かちいろ)とも呼ばれ
鎌倉時代から侍がまとってきた勝利を象徴する色』
と紹介されている。
「勝色(かちいろ)」は「ごく暗い紫みの青」。
「紺色」は「暗い紫みの青」なので
どちらもよく似た色といっていい。
「勝色」も「紺色」も
慣用色名でともに日本の伝統色。
青が基調のサッカー日本代表ユニフォームも
2018年は「勝色」がコンセプトだった。
これらのユニフォームをきっかけに
「勝色」を知る人は増えたけど
一般的に多くの人は「紺色」と呼び
世界へ出れば「navy blue」となる。
イギリス海軍制服の色が由来、
「navy」だけでも「紺色」が通じる。
『紺色は褐色(かちいろ)とも呼ばれ…』
あれ?
かっしょくじゃない?
たしかに「かちいろ」と入力すると
勝色/褐色どちらにも変換する。
現代では「褐色」は「かっしょく」と
音読みする「暗い黄赤」で
一般的には「茶色」や「こげ茶」をさす。
日焼けした健康的な肌を『褐色の肌』と
形容するなど日頃呼び慣れた色名だ。
藍を搗(か)って *搗つは臼をつく意味
黒に近い藍色に染めた染色技法から由来する
「搗色(かちいろ)」を受け継ぐ褐色を
「かちいろ」と呼べば「ごく暗い紫みの青」で
音の響きから『勝ち』に通じる縁起から
スポーツや勝負事の勝利を願う
「勝色」につながる。
呼び方で色が違うということだ。
日本では古くから様々な色名があり、
様々な呼び方をされ、意味合いを変化
させながら現代へとつながってきた。
呼びやすく、親しみやすく、覚えやすい色名が
共有されていく。
色は生きているといよくいわれるけど
色名も生きている。
だから時々のあれ?を見直しながら
固有色名、伝統色名、慣用色名、
そして今どきの呼び名を
アップデートしていかなくちゃいけない。
◇◆◇
◇固有色名:昔から伝えられてきた古代色名や、現代になって使われるようになった現代色名、慣用的に用いられている色名などをいい、動物、鉱物、植物、人名、地名などが用いられている。
◇慣用色名:無数の固有色名の中で、現在の社会で比較的よく使われ、多くの人に知られている色名。
*昔から伝えられ使われてきた伝統色名も慣用色名も固有色名に含まれる。
参考文献:
〇 野球日本代表オフィシャルサイト『新ユニホームの発表について』(2022年1月13日)
〇 公益財団法人 日本サッカー協会公式ウェブサイト『日本代表 新ホームユニフォームを発表』(2017年11月6日)
〇 編 尚学図書・言語研究所 (1986年)『色の手帖』小学館
〇 江幡 潤 (1982年)『色名の由来』東書選書
〇 大井義雄・川崎秀昭 (1999年)『カラーコーディネーター入門 色彩』日本色研事業株式会社