虹は、太陽光線がにわか雨の水滴によって
屈折と反射をうけるときに生じるー
スペクトルに分かれて反射した光が
赤、橙、黄、緑、青、藍、菫の7色となる。
主虹は外側が赤、副虹は逆に内側が赤。
なんてちょっと色彩講座みたい?
私たちが思い描く虹は
にわか雨のあとのぬけるような青空に
くっきりと弧を描くイメージだろうか、
たぶん。
水滴が大きいほど色が鮮やかになって
弧も広がって大きな半径になる。
だから水滴の大きさが均一な
にわか雨の後にきれいな虹が現れやすい。
こんな淡い虹もある。
あつい雲が垂れこむ梅雨の締めくくりに
高速バスを利用する出張があった。
中央道片道4時間半の移動の途中に
淡い虹をいくつかみた。
いくつか、というより
弧のほかに時おり光のカーテンが現れた。
虹ができる条件は揃っている。
雲の多重奏の隙間からこぼれる光は
水滴との協奏曲となり虹色に淡く輝く。
グレーにしかみえなかった曇り空は
眺めているうちに
色彩豊かな表情に変わっていく。
印象派の絵のように。
梅雨空は虹の宝庫だった。
雲を通過する光は、
大きな水滴を通り抜けて虹をつくる。
分散された光は加法混合して白色光をつくる。
だから雲は白くみえる。
黒い雲は水滴の密度が高いから
太陽光線をほとんど透過しない。
だけど地上からみると黒くみえる雲も
雲の上では光が大気中に反射している。
Every cloud has a silver lining
どんな雲でも裏側は銀白に輝いているー
憂いの反面には喜びもある、という諺。
逆境にある人を励ます意味もある。
イリスは、ギリシャ神話の虹の女神。
きっと雲の裏側に住んでいる。