出発ロビーに置かれたカッシーナ・イクスシーの12人掛ソファ。
ニュースを賑わせたのと同じ頃
国内線第2ターミナルも拡張されて
新たな姿がお披露目された。
楽しみにしていたのはそっちのほうで
完成した第2ターミナルには
憧れの名作椅子がなんと500脚、
3階のアッパーデッキトーキョーでは
約260のデザインチェアに自由に座れる。
一脚一脚が異なる名作椅子が大集結!
3階アッパーデッキトーキョーは出発前の食事がとれるテラス・スペース。4つのゾーンに分かれて椅子が"編集"されています。インガ・センペのフロアラ ンプ越しにみえるのはテラスゾーン。
ショールームやミュージアムならともかく...
と、思ったらプロジェクトを手がけた
建築家の中村拓志氏は空港のフリーペーパー
UPPER DECK TOKYO JOURNALの中で
「椅子が機械的に一方向を向いているのではなく
旅行者が思い思いの場所に飛ぶように
もっと自由にふるまえる場を提供したかった」
と語っている。
「今日はどの椅子に座ろうかなとか、
これは私の指定席、みたいな
マイスペースが生まれると
人々が長居し公共的な場になっていく」
パトリシア・ウルキオラのTROPICALIAはテラスゾーン。クリスマスのリボンにみえる?
公共のなかのひとりとして
マイスペース、マイチェアを持ちたくなる。
裏腹に、そのマイスペースを定着させてはくれない。
なぜなら椅子は固定されていないので
来るたびに少し動いていたり位置が変わっていたり
それは都心の雑踏をみているように、ひいては
東京の空気感が伝わるように仕掛けているらしい。
たしかに行くたびに
ゾーンのなかで少しずつ位置が変わっている。
同じく、座るというより揺られてみたくなるようなパトリシア・ウルキオラのMAIAはセントラルゾーンに。
次の人がまた動かし
そのまた次の人も。。。
前の人の痕跡にマイスペース、マイチェアを
みつけた新たな人がまた座る。
空港という雑踏の中で思いのまま長居をさせるという
"恋する空港"デザイン戦略にはまってる?
はまってもかまわない。
"恋する椅子"を見つけに行こう。