グラフィックデザイナーの岩崎さんと
トークショー最後に歌ってくれた五大さんのアカペラは心に染みました。
赤レンガ倉庫で開催されたイベントに出かけた。
『森日出夫×中村高寛×五大路子トークショー』
森さんは横浜の街を記録する写真家
中村さんは映画監督
五大さんは女優
3人に共通しているのは、横浜に深く関わり
文化芸術芸能に関する賞を多数受賞しているほか、
ともに、あるひとりの娼婦に寄せる深く熱い思い。
その人の名前はハマのメリー。
横浜の戦後史を象徴するような実在した女性。
メリーさんについては
森さんの写真集「PASS」
中村さんの「ヨコハマメリー」
五大さんのひとり芝居「横浜ローザ」に詳しい。
私は一度だけメリーさんを見かけたことがある。
森さんの写真展「ハマのメリー」より。
1号館で9日まで。
記憶を遡ると92~93年頃だったと思う。
伊勢佐木町で。
トークショーで展示されていた等身大ほどの写真。
PASSでは違うアングルで何度もみていたのに
メリーさんがかけているメガネをじっくり
みていなかったことに気がついた。
83歳位と思われるこの頃のアイラインがここまで
幅広いのは、目がよく見えなかったからだそうだ。
それならどれほど度の強いレンズが必要だったかと
思うのに、写真のレンズは度が入っていない。
トークショー後、向かいの2号館で関係者の方々と中華料理をいただき、その後流れて閉店時間のないトークショーが始まるわけで…
舶来物に近いところにいたはずのメリーさんの
フレームはいわゆる普通の細い金属枠。
90年代前半、ツーポイント流行の兆しがあった一方で
大ぶりメガネといえば
ディオールやサンローランだったのに。
5年ほど前、映画化される前の中村監督の
ドキュメンタリー映像のなかで、
故郷で暮らす晩年のメリーさんの素顔に会えた。
神々しく、清らかでやわらかな空気が
漂っていたことを思い出す。