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目とメガネに関する豆知識
視機能が発達途上にある、もしくは発達の安定期ではないこどものメガネは、単にピントがぼけて見にくい眼を助けるだけでなく、視機能の発達に大きな役割を果たします。
視機能は、「見る」機能ですが、さらに細かくいろいろな機能に分けて考えられています。こどものメガネに特に関係するのは、視力と両眼視機能です。


■こどもの目と視力

視力は、「どれだけ細かいものを見分けることができるか」という力の代表的なものさしです。視力というと、メガネやコンタクトレンズをしない状態での、いわゆる裸眼視力が一般によく話題にされますが、視機能発達のものさしとして大切なのは、メガネやコンタクトレンズなどで、ピンぼけを修正した状態での(屈折補正した)視力です。網膜に鮮明な像が写っただけでは、「見る」という作業は完成しません。眼の奥の網膜という組織上に写った外の世界の様子を脳に伝え、脳で読み取る機能が必要です。この機能は生まれたての赤ちゃんでは、発達途上であり、網膜に写った外の世界の様子を刺激として発達していきます。したがって、遠視や乱視あるいは近視とかいった、いわゆる屈折異常が強い場合は、網膜にはっきりした外の世界が写らないため、この機能もうまく発達しない場合があります。

■こどもの目と両眼視機能

両眼視機能は、左右それぞれの眼の網膜に写ったものを脳に伝え、脳でひとつにまとめ、外の世界をより正確に把握する機能です。この機能は生まれたての赤ちゃんでは、ほとんど備わっておらず、左右両方の網膜に写った外の世界の様子を刺激として発達していきます。この機能も、屈折異常と深い関係があり、屈折異常を放置した状態でこどもからおとなへ発達していくと、左右のどちらかの眼がずれた方向を向いてしまう斜視など、両眼視機能等に問題が生ずる場合があります。

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■こどものメガネの選び方

このように、こどものメガネは視機能の健常な発達を促すために大きな役割をします。
したがって、こどものメガネでは、特に注意すべき点がいくつかあります。まずひとつめは、視機能の健常な発達のためといった意味合いがあるため、よいメガネかどうかを、よくみえるかどうかで判断してはいけないことです。また、こども本人にとってすぐに快適なメガネになるとも限らないので、なぜ、メガネをかけなければならないかをよく理解させ、本人が理解できない場合は、とくに保護者が理解をして、指示どおりに装用させることが大切です。
また、メガネフレームの選択も、おとなの予想もしないような激しい動きで粗い取り扱いがあることを想定しながら選択していくことが必要です。また、最近は、おとなでも一見こども用かと思うような小さいメガネをかけることがありますが、こどもは目と目の間の距離がおとなとは違います。また、目と目の間の距離が短いわりには、頭の幅が大きいこどもも多く見かけられます。また、左右の耳の高さや、頭の幅の左右差もこどもには、おとなよりも多く見かけられます。

視機能の健常な発達のために掛けなければならないメガネも、掛け心地が悪いといった理由でいやがることもあります。楽しく掛けるためには、デザインも大事ですが、それだけでなく、そのこどもにあったフレームを選んでくれ、また、その頭の特徴に合わせてフィッティングできる技術と知識のある眼鏡技術者のいる眼鏡店でご相談されることをお勧めします。とくに小さいこどもでメガネを嫌がる場合は、その嫌がる原因を早くみつけて善処しなければなりません。また、どれだけいいきかせても、やはり歪めてしまったりすることは、おとなよりも多くなりがちですから、いつでも気軽にフレームの歪み直し、フィッティングなどのチェックをして頂ける身近な眼鏡店で 購入することもポイントのひとつではないかと思います。

なお、現在9才未満のこども用メガネのうち、「弱視」「斜視」の治療用のもの、また、「先天性白内障術後」の屈折補正のメガネについては、健康保険給付対象として認められています。医師に「保険給付の対象となる治療用眼鏡」であるか確認いただいた上、ご自身で手続きを行うことになります。
詳しくは、ご加入の保険団体にお尋ねください。

≫小児弱視眼鏡の保険適用について

監修:日本眼鏡技術者協会教育部担当副会長 木方 伸一郎