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目とメガネに関するQ&A

日本人は世界の中でも近視率が高く、高校生の6割くらいは近視だといわれています。


近視は他の病気と同じように、下記の2つの要因によって起こります。



1.「遺伝的要因」


両親または片親が近視だと、子どもも近視になりやすいといわれていますが、
近視の遺伝子については、はっきりとわかっていません。
眼が悪くなる遺伝子を持つ人は、眼が悪くなる環境が整うと、近視になります。


また、欧米の家は窓が小さく間接照明で、薄暗い部屋で本を読んだりしている
にもかかわらず、欧米人は東洋人に比べて近視の人が少ないそうです。
むしろ欧米人の焦点はもともと網膜後方(遠視ということ)にあり、
網膜の前方に焦点がある近視になりにくいのは、当然のことといえます。



2.「環境的要因」


一般的に先進国では、パソコンの普及などによって発展途上国よりも
近視の人が多いといわれています。また、細かい漢字を使う国(中国、
台湾、日本など)に近視の人が多い傾向もみられます。


近視の予防には環境的要因を少なくすることが大切ですが、一つの予防
として「屋外でスポーツなどをする子どものほうが近視になりにくい」
という報告があります。


シドニーとシンガポールに住む中国人6~7歳の小学生のアンケート
(ともに中国系で、両親の近視率の差はなく、人種や遺伝的な要因は
子供の近視の進行には関係しません)で、近視率はシドニーの児童が
約3%、シンガポールの児童は約29%でした。


読書時間はシドニーの子どものほうが長かったため、近視になりやすい
環境的要因があったものの、近視率がシンガポールよりも低かったのです。


その他の差を比べてみたところ、「屋外での活動時間」が大きく関係
していました。 シドニーの児童は圧倒的に長く平均3時間に対して
シンガポールの児童は平均30分でした。 人口密度の高いシンガポールは
子供が外で遊ぶ場所が少なく、シドニーがあるオーストラリアは外の広い
グランドなどでスポーツをする児童が多いようです。


この理由はまだはっきりとは解明されていませんが、体に日光を浴びた
時に分泌されるドーパミンが、近視を抑制する作用があるのではないかと
報告されています。


現代社会に普及したパソコンやゲームは便利で楽しいものですが、
お子さんは外で遊ぶことが目の成長・予防には大切だといえるようです。