うれし涙やくやし涙など、喜怒哀楽の感情が影響する涙はどうして起こるのでしょうか?
感情の揺れ動きは身体に急激な負担をかけ、身体中のストレス物質を増加させます。人は、涙を流すことでこのストレス物質を排出し、自律神経をコントロールしています。
この「感情の涙」はその感情によって涙の成分や味、量が異なるようです。
悔しいときや怒ったときは、心拍数が上昇し、血管が収縮して頭に血がのぼっていきます。これは、心身を緊張させる神経「交感神経」が刺激されている状態です。涙腺に流れ込む血液の増加にともない、涙の生成量が増加しますが、血管が収縮したままなので、ふりしぼられるようにジワジワと少ない量の涙が出ます。この涙は、ナトリウムを多く含んでいるために、しょっぱい味がします。
また、この強い緊張は緩むと一転、「副交感神経」に切り替わります。うれしいときや感動したときなど、リラックスした安静状態だと血管は拡張します。そのため頭に集まった血液が涙腺に流れ込み、とめどなく涙がながれてくるのです。この涙は、量が多いために濃度が薄く、水っぽい味になります。
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